Secret love.
だけど実際に上手く行かず2年経っても、私はまだ及川くんを好きだった。

残業して帰りが夜遅くなった時に、私以外誰も居ないオフィスに足音が聞こえてきて、そちらに顔を向けると及川くんだった。


「…及川くん?」

「あ、川﨑さん。まだ残ってたんだ。」

「何してるの?」

「残業。それで処理しなきゃいけないもの持ってくの忘れてて、怒られるの承知で書類とメモを川﨑さんのデスクに置いて行こうって思ってた。」

「忙しかったんだね。お疲れ様。」

「怒らないの?忘れないでよ!って。」

「仕事中の私なら言ったかもだけど、今は退勤したただの人間だから知らない。明日の仕事中の私に怒られて。『及川くん。今度からこういうことは無い様に』って。」

「なにそれ。うけんな。」


私の言葉に及川くんが笑っていて、私も少しだけ笑う。友達として久し振りに話せているという気がした。


「じゃあ、今は会社員でも何でもない川﨑に。今日は飲みに行かない?」

「え?」

「ここ最近断られてたから。たまにはいいんじゃん?」

「…ずるいな。誘うタイミング。」

「決まりな。営業部に荷物取りに行くの付き合って。」


そう言いながら私が逃げない様にか、私の荷物を手に取られてそのまま持って行かれる。「ちょっと!」と言いながら取り返そうとしても、及川くんは全然返してくれない。
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