Secret love.
「相手は姫野さんだったの？」

「そう。」

「…そっか、発覚して家を出てきたんだね…。」

「それで、図々しいお願いだって分かってるんだけど、1日だけ泊めてくれない？明日朝には出て行くから。」


実季の実家は遠方で頼れないのも分かっているし、ここで突き放す事はできない。部屋も泊める場所はあるし、事情を聞けば及川くんも反対はしないと思う。


「1日と言わず落ち着くまで居ればいいじゃん。」

「そんな迷惑掛けられないよ。優花だけならまだしも及川くんも居るし。」

「でも…」

「大丈夫！貯金もあるし、なんとかなるわよ」


そんな風に今度は明るく笑っている実季に対して、私が笑えなかった。私の場合は浮気とかそんな話ではないけど、合コンに行ったのか行ってないのか程度でモヤモヤして、落ち込んでいた。

どうしてそんなに強く居られるのか。


「…いいな、私もそうなったらそうなった時って考えたいのに。」

「…何かあったの？」

「昨夜、及川くんが急に飲みに行って泥酔して帰ってきたんだけど、女性物の香水服に付けて帰って来た。」

「え…？どういうこと？合コン？それとも他の何か？」

「分からない。今日確かめようとしたら、職場に呼び出されて。事務が週明けまでの仕事になった事及川くんに伝えてなかったらしくて…。」

「そう、なんだ…？」


私がそう説明すると実季は何だか腑に落ちない顔をしていた。その表情にまた雲行きが怪しくなっていく。
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