Secret love.
「…何?」

「あ、いや、何でもない。上って誰なんだろうって思っただけ。営業部の上司が人伝に仕事を与える事滅多に無いから。」

「及川くんが嘘吐いてるってこと?」

「そうは言わないけど…、本当に急ぎの仕事だったのかなとか…。及川くんが優花を裏切る事はしないと思うし、大丈夫だと思うけど。」


そう言ってアイスコーヒーを口に含んでいる。今何も解決していないからこそ、その発言に凄く不安になった。

あの時確かに社用携帯に連絡が来ていたから仕事の話だと信じたいけれど、会社の中に及川くんを狙う人が居て故意的に呼び出したのかなとか、色々不安な事を考えだしたらキリがない。

ひとまずずっとここにいるわけにもいかないから「帰ろうか」と声を掛け、実季を連れて自宅に戻る。

このまま悩んでもどうせ今日は話し合いも出来ないから、考えるのはよそうと不安な気持ちに蓋をした。
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