Secret love.
仕事終わり、指定されたレストランに着くと、個室に案内されて中には及川くんが居た。

午前中及川くんからずるい形で本音を聞いたのもあって、顔を合わせた時は少し気まずかった。


「…何の記念日でも無いのに、こんな素敵なレストラン予約してどうしたの?」

「たまには良いじゃん。何も無い日に来ても。ゆっくり話したかったし、この雰囲気で仲直りまで持って行けるかなとか。」

「ずるい考えだね。」

「そう言う男なのは分かってたじゃん。」


開き直っている所が可笑しくて少し笑って前に座ると、メニューを見て先に注文を済ませる。

今までレストランは何度か共にしたことをあるけれど、個室なのは初めてだ。


「ていうか、もう会社でああいう風に絡むのやめたら。バレちゃうじゃん。」

「自分で言っといてって?」

「その通り。バレたくないんでしょ。別に私は社内の全体メールに及川くんとの写真を載せて交際してますって送り付けても良いんだから。」

「しないだろ、そんな事。」

「しないに決まってんじゃん。」


そんな事を会社で言っても何にもならないのだから、別にこうしたっていいという例えだ。私には別にこそこそする理由も必要性も無いのだから。
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