Secret love.
午後から仕事をしていると「川﨑さん、精算お願いします。」といつも通り及川くんが書類を持ってやってくる。今日は午前中に外回りがあった様で、午後から来た。


「はい。」


いつも通り仕事しようとしても姿を見るだけで思わずにやけてしまいそうになる。必死に引き締めるも昨日の今日なので厳しい。

電卓と領収書などに視線を落として顔を見られないようにしていると、横に立っている及川くんが左手の薬指に軽く触れてきて、思わず体が震えた。

キッと上に居る及川くんを睨みつけると、笑っていた。


「何してるの!」

「顔緩み過ぎ。」

「何の話してるか分かりません。」

「楽しかった?新田さんとのランチは。」

「楽しかったけど…。何で?」

「たまには俺と行ってくれてもいいのにな~と思っただけ。」

「目立つでしょ。及川くんと行ったら。」

「ただの同期がご飯食べに行くだけじゃん。大学時代から仲良いし問題ないって。」


そもそも及川くんが目立つのだからそう言う問題ではない気がする。揶揄ってきているだけでもあるので、あまり相手にしないことにした。

計算を終わらせていつも通り裏にお金を取りに行って、戻ってくる。


「そういや川﨑さんは、社員旅行行くの?」

「…社員旅行?」

「メール見てなかった?」


見逃していたのかそんな話は知らない。
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