Secret love.
翌日、昼食の時間に運よく実季と一緒に、ランチにあり付けて他愛の無い話をしていた。その途中で、社員旅行の話になった。


「実季は社員旅行行くの?」

「あー…、うん。行かない訳には行かなくて。」

「営業部だから?」

「それもあるけれど…。…私さ、優花にずっと言えなかったことがあって…。」

「ん?」

「…私今、課長の朝倉さんと一緒に住んでて…。」

「ええええええええええ!?」


まさかの実季からのカミングアウトに大きな声が出て実季に「声が大きい!」と怒られてしまった。


「何で、いつから!?」

「…本当につい最近。提案されたのは浮気されてすぐの仕事の時だったけど…。住み始めて最近なのに、何日も朝倉さんが留守にしている間私がそのお家に居る訳には行かないでしょ?」

「それもそうだよね…。」


その言い分に納得して頷く。確かに、宿を貸してもらって信用してもらっていても、家主が居ないんじゃこちらの気が引けて当然だ。

それに実季と営業課長がって…、一体何がどうなって…、と困惑していると、実季は苦笑いしていた。


「驚いたよね…。落ち着くまで言うのは…って思ってたけど、隠すのも出来ないし。」

「ひとまず安全な場所で過ごせているみたいで私としては安心だけど…。そっか…。」


及川くんからも営業課長は良い人だと聞くし、何も心配はしていないけど、意外過ぎる話にうまく整理が出来なかった。
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