Secret love.
会場に着くともうかなりの人数が既に着いていた。始まるまで後数分なので既に席に着き始めている。実季とは課が違うので、ひとまず離れた。

どうせみんな酔いが回ると席などは関係無くなってどんちゃん騒ぎになっていく。だからしばらくの間離れて、どうせ私達は面倒な席から離れて遠くに逃げてきて一緒に飲むことになる。

これもいつもの流れなので、経理課の島へ向かって端の方の席に座ると、私の隣に誰かが座る。


「隅の席取らないでくださいよ、先輩。」

「出たな。生意気クソガキ太一。」

「一個しか違いませんけど。」

「そうやって可愛くない言い返し方するのがクソガキだって言ってんの。」


この子は1つ下の経理課の後輩である真澄(ますみ) 太一(たいち)

もう5年の付き合いになるけれど、ずっと生意気だ。だけど可愛い所もあって、こう文句を言いながらも寄ってきて私には懐いている。


「てかちゃんと社員旅行に来たの。偉いじゃん。」

「行かないってごねたんですけどね。何か強制的に来させられました。」

「良いじゃん。どうせ暇でしょ?」

「暇じゃねぇっす。」


そう文句を言いながら飲み会が始まるのを太一と会話をしながら待つ。まだこうしてお酒飲むのを無理強いしてくる後輩でもないので気が楽だ。もう片方は誰も隣には座らない事は決定している。
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