Secret love.
「てか、会社では上品ぶってるし。基本的に誰にでも敬語で話しておしとやかって感じに見えます。俺には例外で。」

「太一には気を遣う所が無いから。もう5年も同じ部署の先輩後輩やってたらさ…。」

「その割同期には気を遣うんですね。誰でしたっけ…、営業のエリートまっしぐらな及川さんでしたっけ。」

「及川くんは…、また別じゃん。」


ここで及川くんの名前が出てきた事に少し驚いたけど平静を保つ。


「普通同期の方が気を遣わないもんなんじゃないですか?あ、そっか。先輩、及川さんの事好きですもんね。」

「…は?」


誰にも言い当てられた事なんて無かったのに、平然と太一が及川くんへの気持ちを言い当てた事に驚いた。私と及川くんが恋人とは思っていないみたいだけど。

しばらく何も返せないで居ると太一は憎たらしい笑みを見せている。


「へー、適当に言っただけなのにがちなんだ。彼氏居るって言ってませんでしたっけ?実はそれが及川さんだったり?今日も一緒にまわってましたしね。」

「…違う。」

「嘘下手っすね、先輩。」

「違う!同期だから仲良いだけ!」


そう誤魔化しても全然信じてくれる様子はない。私の様子にニヤニヤとしている。
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