Excessive love.
「実季、困ったら本当に頼ってよね。悪いとか思わなくて良いから。」


優花が心配そうな表情でそう言ってくれるのを聞いて、私は少し微笑み返して「ありがとう」とお礼を言う。頼れる場所があると思うだけで随分心強い。


「そろそろ戻らなきゃね。戻りたくないけど。」

「私も。今は同じ部署であの男の顔見る度に腹が立つ。」

「良いから、及川くんとのデートに備えなよ。」

「…何に対して備えたら良いのさ。」


そう言いながらも顔を真っ赤にして少し嬉しそうな優花が可愛い。

交際を隠したがって、結婚の話も4年間で無かった事に対して先が見えなくなった優花は、及川くんとの別れを考えたりもしていたけれど、何だかんだまだ及川くんの事は好きだから、今回も大丈夫だろうなと確信した。

ツンツンしながらもなんだかんだ女の子らしい可愛さが優花にはあって凄く羨ましい。私に足りないのはこういう愛らしさの部分だろうなと自覚していた。


「じゃあ、またね。優花。」

「またね。」


営業課と経理課はオフィスが違うのでそこで別れて営業課に戻っていく。

朝と一緒の身体の重たさをここで再度感じた。本音を言うと戻りたくはない。

足取りは重く、少しずつオフィスに戻っていく途中で「新田」と後ろから声を掛けられて振り向いた。声の人物は朝倉課長だった。


「ちょっと話良い?」

「あ…、はい。」


急に呼び出される事が珍しく、歩いていく課長の後ろを着いて行く。
< 12 / 141 >

この作品をシェア

pagetop