Excessive love.
Episode10
それから数日は、平和な日々が続いた。
土日を挟んだこともあり、私はあの日以来、一度も直樹さんと姫野さんの関係について触れることはなかった。
そのまま月曜日を迎え、午前中の外回りを済ませた後のこと。優花とのランチを終えてから、営業課のフロアにあるお手洗いに立ち寄り、ついでに鏡の前で軽くメイクを直していた。
個室に誰かが入っているのは分かっていた。この会社のトイレは、未使用時には扉が開け放たれているからだ。
誰が使っていようと不思議ではないし、特に気にするようなことでもない。中から出てきたのが、彼女でさえなければ。
「先輩、お疲れ様です!」
「お疲れ様」
挨拶くらい、誰にでもする。どれほど嫌いな相手でも、無視をするような子供染みた真似はしない。
…しないけれど、姫野さんと二人きりの空間は、耐え難いほど居心地が悪かった。早々に立ち去ろうと、リップを塗り直して手早くポーチに収め、出口へと向かう。
「…そう言えば、先輩りゅうくんから画像について話されたんですよね?」
背後から投げかけられた声に、足が止まる。
「画像って?」
白々しく聞き返してはみたものの、思い当たる節は一つしかなかった。隆太が口にしていた、姫野さんと直樹さんが抱き合っているという写真のこと。
この瞬間、確信した。隆太を焚きつけて私のところへ行かせたのも、直樹さんと抱き合っている証拠を撮らせたのも、すべてはこの女が全て仕組んだ事だと。
土日を挟んだこともあり、私はあの日以来、一度も直樹さんと姫野さんの関係について触れることはなかった。
そのまま月曜日を迎え、午前中の外回りを済ませた後のこと。優花とのランチを終えてから、営業課のフロアにあるお手洗いに立ち寄り、ついでに鏡の前で軽くメイクを直していた。
個室に誰かが入っているのは分かっていた。この会社のトイレは、未使用時には扉が開け放たれているからだ。
誰が使っていようと不思議ではないし、特に気にするようなことでもない。中から出てきたのが、彼女でさえなければ。
「先輩、お疲れ様です!」
「お疲れ様」
挨拶くらい、誰にでもする。どれほど嫌いな相手でも、無視をするような子供染みた真似はしない。
…しないけれど、姫野さんと二人きりの空間は、耐え難いほど居心地が悪かった。早々に立ち去ろうと、リップを塗り直して手早くポーチに収め、出口へと向かう。
「…そう言えば、先輩りゅうくんから画像について話されたんですよね?」
背後から投げかけられた声に、足が止まる。
「画像って?」
白々しく聞き返してはみたものの、思い当たる節は一つしかなかった。隆太が口にしていた、姫野さんと直樹さんが抱き合っているという写真のこと。
この瞬間、確信した。隆太を焚きつけて私のところへ行かせたのも、直樹さんと抱き合っている証拠を撮らせたのも、すべてはこの女が全て仕組んだ事だと。