Excessive love.
「まだ変わらない? 俺と別れたいって気持ちは」


 直樹さんの真っ直ぐな問いかけが、先ほどまで意地を張っていた私の心を溶かしていった。

 視界が滲んだかと思うと、一気に涙が溢れ出す。堪えようとすればするほどに漏れ出し「…っ、うっ、…ううっ」と、震える声が静かなオフィスに響いていた。

 私の涙を見るなり、直樹さんはそっと、私の体をその胸元に抱き寄せた。

 子供のように声を上げて泣く私を、彼は拒むことなく受け止める。
 落ち着かせるように何度も、優しく背中をさすってくれていた。

 私は今まで、恋人への甘え方も、頼り方も、何ひとつ分かっていなかった。


「意地の悪い質問だったよな。ごめん。実季がその選択を取りたくて取ったわけじゃない。たくさん悩んで俺を守ろうとしてくれたんだよな」


 そう言いながら頭を優しく撫で、そのまま話を続けた。


「でも、俺はきっと何をされても実季を離す選択肢が一番無い事を分かって。噂のせいで自分の仕事がやりにくくなったとしても、関係無い。周りの評判とかどうでも良いから、傍に居て欲しい」

「…っ、ごめ、んなさいっ…」


 嗚咽混じりの言葉で、必死に謝罪と後悔を伝える。

 直樹さんは、私の濡れた目元に、優しい口づけを落としてくれた。

 もう、離れるなんて選択は二度としない。

 直樹さんのいない人生なんて私にはもう、耐えられないから
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