Excessive love.
「これからしばらくは一緒に暮らすわけだし、固い話し方やめない? その話し方だと家でも仕事してる気分になる。普段週一くらいで来てくれる安住(あずみ)さんの方がフランクに話してくれるよ」

「そう、ですよね。気を付けます」

「それ、真面目過ぎな返事」


 そう言って屈託なく笑う朝倉さんにつられて、私もようやく肩の力が抜けて笑ってしまった。

 安住さんというのは、きっと例のハウスキーパーの方だと思う。週に一度の訪問で、住み込みではないのだと理解した。


「あの、安住さんとは会う機会あるでしょうか?」

「俺が仕事帰ってくるくらいまでは居てくれているからその内あるんじゃないか。多い時は週三で来てくれるし、清掃がメインだけど、料理もたまに作り置きしてくれる」

「ちなみに女性の方で?」

「そう。四十代の元気な方だよ。はつらつとしてる」


 朝倉さんの言葉に、なるほどと頷く。

 改めてリビングを見渡しても、掃除するところが見当たらないくらいに整っている。

 部屋を見渡していると「昨日張り切っていたから」と言葉を掛けてきた。


「張り切っていた…、ですか?」

「そう。部下にしばらくの間うちに泊まってもらう事になったって言ったら、それは綺麗にしなきゃ! 自炊する方でしたら食材も…? まあ! 相変わらず何も無い! って大騒ぎしてたよ」


 その時の様子を思い出しているのか、朝倉さんは楽しそうに目を細めた。

 会ったこともない安住さんだけれど、その会話を聞くだけで、彼女がいかにエネルギッシュで素敵な人なのかが伝わってくる。
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