Excessive love.
 案内されたのは、セキュリティの行き届いた高層マンションの最上階だった。

 広々とした玄関を抜け、中に入るとすぐに「ここが新田さんの部屋」と鍵付きの個室を案内された。朝倉さんは、重い荷物を慣れた手つきで運び込んでくれる。


「ここを自由に使ってくれて構わないから。家具とかは揃えたんだけどこだわりはある? もし何かあれば買い足しても変えても構わないよ」

「いえ! ここまで準備していただいて不満なんてありません!むしろ贅沢すぎる程で…。課長、本当にありがとうございます」

「あ、ここでは課長は禁止。家では俺もただの男だから」

「あ…、かしこまりました。じゃあ、朝倉さん」

「少し硬いけど、課長よりはそっちのが良いかな」


 笑う朝倉さんにつられて、私も少しだけ頬を緩める。

 それからリビング、洗面所、浴室、トイレ、そして朝倉さんの部屋や、その他空き部屋、と一通り案内してもらったけれど、どこを見ても埃ひとつ落ちていない。


「あの…、お部屋すごく綺麗ですね?」

「昨日ハウスキーパーさんに来てもらって、掃除と買い出し行ってもらったから。人が来るのに何も無いじゃありませんか! って怒りながらスーパーにも行ってたよ」

「気を遣って頂きすみません」

「いや、俺は本当に何も出来ないから。これからも時々その方には来てもらうつもり。平日は新田も忙しいだろうし、家事は本当に余裕のある時にやってくれたら嬉しいな」

「承知いたしました」


 朝倉さんはなぜか、私のその言葉を聞いて微妙な顔をした。

 失礼なことを言った記憶はないのに、どうしてなのかと、私が不思議に思って「あの…?」と小首を傾げると、朝倉さんは困ったように眉を下げた。
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