Excessive love.
理由は単純に私の気持ちが既に朝倉さんに向き始めてしまっているのを感じていたからだ。

脈が無いと分かっていて、偽装恋愛の関係性になるのは少し苦しい。

だけどこの瞬間に、隆太への仕返しよりも、朝倉さんと恋人になったらどんな風になるのかと夢を見てしまった。これを利用したら嘘でも叶えられるなんて、バカな事を考えて、拒みたくないと思ってしまったのだ。

私は本当に、馬鹿な女だと思う。

恋愛なんてこりごりだと思いながらも、可愛い所も頼りになる所もあるこの人から目を離せなくなって、それで仕返しの為の偽装恋愛に乗ろうとしているだなんて。

いつか必ず来る別れで、傷付くのは分かり切っていたのに。


「…朝倉さんは、良いんですか?」

「もちろん。何でも力になる。」


朝倉さんに、こんな甘え方をするのは間違っているというのは分かっている。この提案を受ける動機が不純であることも。


「…お願いします、朝倉さん。」


そう答える私に朝倉さんは笑みを向けて「こちらこそ」と返した。

間違っていると分かっているのに、もう引き返せはしない。
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