Excessive love.
「実季、話したいなら聞くけど、話したくないならこの話題変えても良いよ」

「…話したくない訳じゃないんだけど…」


 心配そうな表情で、気を遣って声を掛けてくれる優花に対して、煮え切らない返事をしてしまう。自分の気持ちを言葉にするのは、思っていた以上に緊張することだった。

 隆太と付き合った時は、告白されて良い感じだったから付き合うことにしたと簡単な報告で、特にドキドキするものでも、緊張するものでもなんでもなかった。

 でも今回は、私が一方的に好きになって、その上、偽装という形で側にいる。この複雑で、それでいてひどく照れくさい感情を打ち明けるのが、優花相手でも怖かった。

 意を決して、真っ直ぐ優花の方を見る。
 私の真剣な視線に、優花は少し驚いたような表情を見せた。


「…私、朝倉さんの事が好き」

「え?」


 優花は予想もしていなかったという顔で、呆然とこちらを見ていた。そんな優花の反応を遮るように、ずっと胸に溜めていた言葉を吐き出す。


「朝倉さんは、本当に素敵な人だけど、恋愛が怖くて簡単に好きとか思いたくなかった。一緒に過ごす内に、こういう穏やかな時間良いなとか、こういう所可愛いとか、頼りになるとか沢山ときめく場面があったのに、どうせうまくいかないなって」

「どうせうまくいかないなって…どうして?」

「ずっと、可愛げが無い女だって振られてきたし、今回も本当に好かれてるか分からないって浮気されてるし、その人と交際できたとしても、今迄みたいに関係性を壊すのも怖くなってたから」


 朝倉さんにまで、今までの男たちと同じように思われたくなかった。可愛げが無いとか、好かれているか分からないとか、一人でも生きていけそうだとか。

 本当の私は、そんなに強い人間じゃない。頼れる人に思い切り甘えたい時だってあるし、好きな人に可愛くないなんて思われたい訳が無い。
< 61 / 142 >

この作品をシェア

pagetop