離縁を告げた夜、堅物御曹司の不器用な恋情が激愛豹変する
「……びっくりしました。病院で偶然会うなんて思わなかったので」
鞠絵さんの前では平気なふりをしてみせたが、本当は怖かったしすごく必死だった。
珀人さんはコーヒーに口をつけ、優しく微笑む。
「さっきの彼女の発言でなんとなく状況を察したが、きみに疑われなかったようでよかった。悠花以外にそんなこと……考えたくもない」
至極不愉快そうに形の眉を寄せる珀人さん。彼の一途な想いに胸が熱くなる反面、少しだけ申し訳ない気持ちも湧いてくる。
「……ずっと、お預けさせてしまってますけどね」
私は照れながら小声で言い、思い出したようにココアラテのカップをを引き寄せる。ひと口飲んでみるととても甘くまろやかで、ホッとする味だ。
「それは、一年もの長い間きみに寂しい思いをさせた報いだ。甘んじて受け入れるよ」
「珀人さん……そうだ、ひとつ素敵なお知らせがあります」
「お知らせ?」
「はい。赤ちゃんの性別です」