離縁を告げた夜、堅物御曹司の不器用な恋情が激愛豹変する
ぎしりと音を立てて膝からベッドに乗った彼が、四つん這いで私の上に覆いかぶさる。
先ほど宣言した通り、大きな手がパジャマの三つ目から下のボタンを、器用に外し始める。
寛げた胸元からブラのレースが覗き、珀人さんがそこをじっくりと眺める。羞恥に負けた私は思わず両手で顔を覆った。
「珀人さん、そんなに見なくていいですから……っ」
「見ていないで早くさわってくれって?」
「そんなこと言ってな――んっ」
珀人さんの見当違いな発言に思わず顔を隠していた手をどけた瞬間、胸のふくらみに彼がキスをした。小さく肩が跳ね、恥ずかしい声が出てしまった。
珀人さんはそれからキスを首筋に移動させ、舌でぺろりと舐め上げた。
なんとか声は我慢したけれど、腰がぞくぞくして変な感じだ。
その感覚が彼にもバレているかのごとく、硬い手のひらに腰の輪郭をなぞられる。
キスが再び唇に落とされ、微かに開いた唇の隙間から、彼の熱い舌が口内に入り込む。
私の全部を味わい尽くすようにあちこち舌で刺激され、満足に息ができず頭がぼうっとしてくる。
珀人さんが上手なのか、私がお子様すぎるのか。
それともいまだに成仏できない恋情がそうさせるのか、私は彼とのキスに夢中で応えては鼻にかかった声を漏らす。