離縁を告げた夜、堅物御曹司の不器用な恋情が激愛豹変する
「珀人さん、もっとわかりやすく説明を――」
「そのために、今からきみを抱くんだ」
情熱的な瞳で見つめられ、ドキン、と心臓が大きく跳ねる。
珀人さんは私に一度キスを落とすと、膝を掴んでぐい、と左右に開かせた。そのまま私にのしかかるように体重をかけ、ゆっくり入ってくる。
高校の頃から珀人さんひと筋の私は、男の人を知らない。だからきっと狭いのだろう。無理やりこじ開けられるような痛みが走り、思わず顔をしかめた。
「力まないで。ゆっくり呼吸するんだ」
「は、い……」
彼に手を握られながら、ふう、ふう、と大きく息を吸って、同じように吐く。
そうして奥まで彼でいっぱいになると、そこはまだ微かに痛みを感じた。
心も苦しいくらいに切ないのに、それでも珀人さんと繋がり合えたという喜びがあった。
むなしい思い出作りだと笑われてもいい。
初恋の相手である夫を今までで一番近くに感じているこの瞬間を、私はこの先もきっと忘れることはないだろう。
「苦しくないか?」
「……少し。でも、大丈夫です」
「慣れるまではゆっくり動かすから……悠花、俺の首に掴まって」
言われた通り、彼の逞しい首にしがみつく。自然と顔が近づいて視線が絡み、ドキンと胸が鳴った瞬間、噛みつくようなキスで唇を塞がれた。