離縁を告げた夜、堅物御曹司の不器用な恋情が激愛豹変する

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「総務部から来ました真木(まき)誠也(せいや)です。総務で働く前は財前ホールディングスで企画系の仕事をしていましたので、皆さんのお役に立てると思います」

 本日十月一日付で他部署から異動してきた男性が、朝礼の最後に挨拶していた。

 ここはIT関連の事業を手掛ける『株式会社(ゼット)アドバンス』の本社。

 入社四年目の私、財前悠花が所属しているのは開発部のアプリ開発課で、ゲームと学習を一体にした子ども向けアプリの開発にプランナーとして携わっている。

 会社の服装規定が緩めなので、社員はそれぞれ自由なオフィスカジュアルの装いだ。

 私も動きやすさ重視で、ブラウン系のニットにオフホワイトのワイドパンツというファッション。胸の上まであるココアブラウンの髪は毛先を内側に軽くカールさせ、ハーフアップにまとめた。

 目が大きめのせいか童顔だとよく言われるので、メイクはきりっとクールな雰囲気にしている。

 社員たちの前で自己紹介を済ませた真木さんも、ベージュのチノパンにピンク色のシャツを合わせていて、羽織っている紺のジャケットがなければあまり会社員という感じがしない。

 垂れ目の甘い目元が印象的で、話しやすそうな雰囲気ではある。

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