離縁を告げた夜、堅物御曹司の不器用な恋情が激愛豹変する
「時間に融通が利くからじゃないかな? 年齢的に、ご家族との時間も大切だろうし」
「あー、四十オーバーでしたっけ。確かに、奥様やお子さんがいるなら仕事と家庭のバランスが取れる部署の方がいいですけど」
「けど?」
「真木さんって容姿からしてチャラいじゃないですか。指輪もしてないし、私は独身だと思うなぁ。さらに女好きと見た」
葵ちゃんがこそっと付け足す。根拠が容姿だけなので失礼だとは思いつつ、私も軽く頷いた。
「……まぁ、女性慣れしていそうな雰囲気ではあるよね」
「悠花さん、泥沼不倫とかやめてくださいよー?」
「なに馬鹿なこと言ってるの。ほら、仕事仕事」
朝礼が終わると、デスクに戻ってパソコンに向かう。彼女は現在、楽しく漢字を学べるアプリの制作中。
そして私は、もう少しゲーム性の高いRPG的要素のあるアプリの企画を立ち上げようとしているところだ。お互いにくだらない雑談で時間を無駄にしている場合ではない。
とりあえずメールボックスを開いて、朝のうちに返信すべきメールをチェックし始めた。