天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

 グレーの髪の男の子がやってきて、シオン様を見上げる。

「あ、あの!」

「なんだ?」

「オレ……えっと、頑張って勉強すればシオン様みたいになれるかな? こんな髪でも大丈夫なのかな?」

 濃いグレーの髪のせいで捨てられた子供だ。

 真剣な眼差しは、祈りすら感じられた。

「私みたいになりたいのか?」

 シオン様は不思議そうに男の子を見た。

 男の子は大きく頷く。

「だって、ルピナ様、シオン様のことばっか『好きぃ♡ カッコイイ』って言うし! オレ、早く大人になってルピナ様のお役に立ちたいんだ! それで、それで、大きくなったらルピナ様と結婚する!!」

 私の声まねをしつつ、可愛らしい決意表明をする。

(けど、変なことバラさないでよ!)

 私はあたふたしつつシオン様を見た。
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