天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

(ああああああああああああ……)

 すると、シオン様は夜空に向かって人差し指をさす。
 そうして、指を一振りすると夜空に向かって一筋の光が打ち上がった。真夜中の空に白い光が弾ける。
 水仙を模した花火が開いたのだ。
 夜空に輝く儚い花が、キラキラと光の粒になって人々の上に降り注ぐ。

「これは私がルピナに捧げる水仙だ。今日は大切な人に水仙を贈るのだろう?」

 シオン様は花火の消えた夜空に目を向けたまま、小さく呟いた。

「私のために……!」

 おもわず我を忘れて、シオン様にしがみつく。
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