天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
「あ! あぁぁぁぁぁぁ……!」
私は思わず絶叫した。
シオン様は無言で目を見開く。
そしてベッドのハートを確認すると、顔を赤らめドアを閉めた。
パタンとドアが鳴り、いたたまれない。
「……」
「……」
気まずく、ふたりで無言になってしまう。
ガタンゴトンと線路を走る音が響く。
警笛が鳴らされたのは、シカでも飛び出してきたのだろうか。
「……あの、わざとじゃないんです。ちゃんとわかってます! スタッフが勘違いしたみたいで。いや、夫婦だから勘違いじゃないですね私の申し送り忘れでああああなんでちゃんと確認しなかったんでしょう最悪だわ私最低よ」
恥ずかしさと焦りでグルグルと視線が定まらない。汗が滝のように流れる。
「私たちの結婚は契約で、愛なんかなくて。だから、その……、私、私、リビングで寝ます! ソファーは大きいですし! シオン様を襲ったりしません!!」
私が慌てて弁明すると、シオン様はプッと噴き出した。