天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
「では、室内の説明をしますわ! 今いるところがリビングです。暖炉も使えます。こちらは書斎で本棚の本はご自由にお使いください。そして浴室、湯船にも入れます。寝室は――」
私は寝室のドアを開いて硬直した。
中にはワイドキングサイズのベッドが置かれており、ベッドの中央にはプルメリアの花でハートが描かれていたからだ。
私は慌ててドアを閉めた。
(! そうだった!! デラックススイートのベッドはワイドキングにしたんだった――!!)
豪華寝台列車を企画していた時点では、シオン様と私が一緒に宿泊するつもりはなかったため、すっかり失念していた。
「どうした?」
シオン様は怪訝そうな顔をして、私が閉めたドアに手をかける。
「っあっと、その、スタッフの手違いで、ちょっと、その、待って、あとで」
私はドアを押さえると、シオン様はドアから手を放した。
(あ、あんまり興味なかったのね。良かった……)
ホッとしてドアノブから手を放すと、シオン様はその隙にドアノブに手をかけ開く。