天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
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 そうして、私たちの初めての夜がやってきた。

(結婚したとは言っても、シオン様は魔塔で生活、私は公爵家と、別居生活だったから)

 もちろん、寝室が同じだったことはない。

(そもそも契約結婚だもの。一緒の寝室を使う必要性はなかったのだけれど――)

 私はドーンと広がるワイドキングサイズのベッドに眩暈を感じた。

(調子に乗って、最高のベッドを用意したのが仇となったわね……)

 ベッドルームの照明は暗く、無駄に雰囲気が良すぎるのも考えものだ。

 チラリとシオン様を見ると、無表情でベッドに腰掛けている。

(はぅ! その無関心そうな顔!! 最高に格好良い!! そして、風呂上がりのシットリした髪に、桜色の肌……。もうすでに存在がセンシティブ……!!)

 思わずゴクリと喉が鳴る。

 その音に気がついたのか、シオン様が顔をあげ私を見た。

「ぅひっ! なんでもありませんよ? なんでもないです! 大丈夫ですよ~……」

 ヘラヘラしながら距離を取り、両手をシオン様に突き出して振りながら、後ずさりするようして、シオン様と反対側のベッドサイドに向かう。

 猛犬に警戒しながら荷物を運ぶ配達員のようである。
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