永遠の絆*
「まさか…ね、」


小さく呟く私に「え、違うの?」と葵は少し声を上げた。


「うん。正直この気持ちがなんなのか分かんなかった」

「……」

「私さ、恋愛とか興味なかったし。そんな事より自分が優先?そっちのほうが勝っちゃって」

「……」

「でも驚くほどに会いたい気持ちの方が勝っちゃってさ、」

「……」

「ほんと驚くよね?ビックリしてる。あぁ、好きなんだなって漸く気づいた感じ」


苦笑いしながら口を開く私に葵はうっすらと笑みを浮かべた。


「うん、知ってる。美咲見てたら分かるもん。言わないの?」

「うん」

「…何で?」

「言っちゃいけない気がする。それにこんな事言ったらあっちも困っちゃうよ」

「……」


ほんとに翔は困るだろう。

私にそんな気もないのにただ居るだけなのに。


「私。…私留学の夢、諦めてない。行きたいの」

「……」

「でも、でもね。この気持ちを翔に打ち明けたら、もっともっと気持ちが出てきて離れたくなくなる」

「……」

「翔と留学、どっちとる?って言われたら正直、今の私は答えられない…」

「……」

「そんな簡単な事じゃない」


私が言った事に葵は何も言わなかった。

暫く経っても葵は下を向いたままストローをクルクル回してるだけだった。



本当に自分でもビックリするくらい…

自分じゃないくらい、私は翔にのめり込んでいる。


自分の気持ちを伝えるのが怖いんじゃなくて、ただ今の私はどうしたらいいのか分かんないだけだった。


だから…

今は、この関係だけでいいと思った。
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