私の婚約者は、嘘ばっかり〜クズだけど優しい彼〜
「衣咲さんは婚約者のフリをしてほしいけど人がいなくて困ってる」
「う、うん…」
「俺も困ってるんです、だからWin-Winだと思うんですよね」
「困ってる?って何に…?」
こんなイケメンが困ることってある?
私が彼女のフリしたところで何にも得られるものなんてないと思うけどー…
「お金がなくて困ってるんです!」
え、お金?お金が必要ってこと…!?
イケメンにお金を払って婚約者のフリをしてもらう、っていいの?いいの、私!?
いや、元々そのつもりで考えてたんだし十々子の彼氏(路也くん)からこのイケメンに変わっただけで…
「それとも俺じゃ役不足ですか?」
さらにぐっと近付いて、私のあごにそっと手を当てる。クイッと顔を上げられて。
「まぁ安い男じゃないですけど」
メガネの向こうの瞳はじっと私を捕らえてる。
「後悔はさせませんよ?」
「…っ」
たぶん私はNOと言うのが苦手だ。日本人なんだ、最初からそう備わってしまっている。
だからこんな危ない誘いにも…
「よ、よろしくお願いします」
断れなくて。
頷いてしまった、婚約者のフリをお願いしてしまった。
お金を払って婚約者のフリをしてもらうことを。
「う、うん…」
「俺も困ってるんです、だからWin-Winだと思うんですよね」
「困ってる?って何に…?」
こんなイケメンが困ることってある?
私が彼女のフリしたところで何にも得られるものなんてないと思うけどー…
「お金がなくて困ってるんです!」
え、お金?お金が必要ってこと…!?
イケメンにお金を払って婚約者のフリをしてもらう、っていいの?いいの、私!?
いや、元々そのつもりで考えてたんだし十々子の彼氏(路也くん)からこのイケメンに変わっただけで…
「それとも俺じゃ役不足ですか?」
さらにぐっと近付いて、私のあごにそっと手を当てる。クイッと顔を上げられて。
「まぁ安い男じゃないですけど」
メガネの向こうの瞳はじっと私を捕らえてる。
「後悔はさせませんよ?」
「…っ」
たぶん私はNOと言うのが苦手だ。日本人なんだ、最初からそう備わってしまっている。
だからこんな危ない誘いにも…
「よ、よろしくお願いします」
断れなくて。
頷いてしまった、婚約者のフリをお願いしてしまった。
お金を払って婚約者のフリをしてもらうことを。