無口な人魚姫と粗暴な海賊
ダリオス、オススメのベーコンやパールの大好きなわかめのサラダなどを食べて、満腹になった頃。
食後もデザートと言って、ダリオスがくれたのはいちごというフルーツだった。
初めて食べたいちごは大粒で、とてもみずみずしくて甘くて、とても美味しい。
パールは満腹なのを忘れて、パクパクといちごを口へと運ぶ。
「ははっ!姫さん、そんなに慌てなくてもいちごは逃げやしねーよ。ゆっくり食べな。」
無我夢中で食べてしまったことにハッとなる。
ダリオスの方を見ると楽しそうな表情を浮かべていたが、ダリオスもきっといちごが食べたいだろう。
パールは丁寧にヘタを取ると、大きないちごをダリオスの口元へと持っていった。
「くれんのか?」
コクコクと頷くとダリオスはあーんと口を大きく開ける。
大きないちごを選んだ。
しかし、そのいちごは一口で食べられ、あっという間に消えていった。
もっと大きいのを選べば良かったと、消えたいちごを掴んでいた手を見つめながら思う。
「それじゃ、お返しをしなきゃな。」
そう言うとダリオスはパールのお皿に乗っているいちごを一粒奪うと、パールのように丁寧にヘタを取る。
パールの口に大きないちごをあてがわれ、条件反射でパクッと頬張った。
当然、一口で食べることができず、ダリオスの手にはまだ食べかけのいちごが残っている。
「ははっ。アンタの口はちっさいなー。」
もぐもぐと口を必死に動かしいちごを食べる。
次の一口は、先程より大きく口を開けてパクッといちごを頬張った。
いちごを食べては必死でもぐもぐと口を動かすパールを眺めながら、ダリオスは手についたいちごの果汁をペロッとお行儀悪く口で拭う。
その仕草が妙に色っぽくて、パールの心が甘くざわめく。
しかし、パールはいちごのように甘酸っぱいその感情に目をそむける。
そんな感情は、はなから存在しなかったかのように。
自分はそんな感情を抱いてはいけないというように。
この日、パールの好物がワカメからいちごに変わったのは言うまでもない。
食後もデザートと言って、ダリオスがくれたのはいちごというフルーツだった。
初めて食べたいちごは大粒で、とてもみずみずしくて甘くて、とても美味しい。
パールは満腹なのを忘れて、パクパクといちごを口へと運ぶ。
「ははっ!姫さん、そんなに慌てなくてもいちごは逃げやしねーよ。ゆっくり食べな。」
無我夢中で食べてしまったことにハッとなる。
ダリオスの方を見ると楽しそうな表情を浮かべていたが、ダリオスもきっといちごが食べたいだろう。
パールは丁寧にヘタを取ると、大きないちごをダリオスの口元へと持っていった。
「くれんのか?」
コクコクと頷くとダリオスはあーんと口を大きく開ける。
大きないちごを選んだ。
しかし、そのいちごは一口で食べられ、あっという間に消えていった。
もっと大きいのを選べば良かったと、消えたいちごを掴んでいた手を見つめながら思う。
「それじゃ、お返しをしなきゃな。」
そう言うとダリオスはパールのお皿に乗っているいちごを一粒奪うと、パールのように丁寧にヘタを取る。
パールの口に大きないちごをあてがわれ、条件反射でパクッと頬張った。
当然、一口で食べることができず、ダリオスの手にはまだ食べかけのいちごが残っている。
「ははっ。アンタの口はちっさいなー。」
もぐもぐと口を必死に動かしいちごを食べる。
次の一口は、先程より大きく口を開けてパクッといちごを頬張った。
いちごを食べては必死でもぐもぐと口を動かすパールを眺めながら、ダリオスは手についたいちごの果汁をペロッとお行儀悪く口で拭う。
その仕草が妙に色っぽくて、パールの心が甘くざわめく。
しかし、パールはいちごのように甘酸っぱいその感情に目をそむける。
そんな感情は、はなから存在しなかったかのように。
自分はそんな感情を抱いてはいけないというように。
この日、パールの好物がワカメからいちごに変わったのは言うまでもない。