無口な人魚姫と粗暴な海賊

4話

 太陽がサンサンと降り注ぐ午後。

 パールはいつものようにバスタブでプカプカと浮いていた。


 バンっ!!


 突然の大きな音にパールの肩がびくりと揺れる。


「わりぃ。驚かせちまったか?」


 そう言っていつものように豪華な上着を靡かせながら、ズカズカと入ってきたのは、ダリオスだった。


「今日は、アンタにこれを持ってきたんだ。」


 ダリオスが手元にあるものをパールに見せた。

 分厚い板のように見えるそれが何なのか分からず、パールが首を傾げる。


「知らないか?これはな、本って言うんだ。」


 本。

 姉から聞いたことがあったため、その存在は知っていた。

 姉の話によると、本には色々なことが書いてあるらしい。

 昔の出来事や、物語なんかも書かれていると聞いたことがある。

 パールたち人魚は、空想上のお話を歌で紡ぐが、人間は本にして紡ぐとか。

 姉のおかげでパールは本について少しだけ知っているが、実物を見るには今日が初めてだった。


「これは絵本って言ってな、絵がメインの本だ。文字も少し書いてるが、文字が読めないアンタでもこれなら楽しめんだろ。」
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