夜を繋いで君と行く
「私はその、多分前に少し話した…口塞いできたことのある彼氏と別れる間際くらいから、ちゃんと生理が正しい期間で来なくなっちゃって。病院に行って調べてもらったら、ホルモンの病気というか、ストレスとかいろんなものが原因でちゃんと生理が来ない状態になっちゃったみたいなんだよね。」
「…うん。」
「それで今は薬を飲んで、3ヶ月に1回くらい生理がくるように調整してるというか、でもそれは薬で誘発してるので自然に生理が来てた頃よりも重くて、出血量も期間も長くてっていう状態ではあるの。それと…その病院で妊娠を希望しているかってことを最初に聞かれたんだけど、当時は妊娠を希望してなかったからしてませんって答えて、それ以上深く聞かなかったけど、それを聞かれるってことは妊娠を希望するならば多分別の治療が必要になるんだと思う。…自然に妊娠できるのかは調べていないし、お医者さんにも聞いてない。…だから、その…もし律が将来的に子供がほしいって思ってるなら、…私と付き合ってるこの期間は、律にとって無駄になってしまうかもしれない…。…律の希望を叶えられる別の人と出会った方が、律にとってはいいってことも…可能性としてはあるのに、それを話さないのはずるかったなって、…久しぶりに生理が来て、お腹ちょっと痛くて、それで思い出した…感じです。」

 怜花の手の上に乗っていた律の手が、少しだけ力を強めて握った。

「今も痛いの?」
「…そうだね、2日目だから今日と明日が私は一番痛い日かも。」
「…じゃあ俺の看病してる場合じゃないじゃん…。」
「昨日はそうでもなかったし、痛み止めでなんとかなってたから!大丈夫!」

 律は怜花の手を取った。手の甲を指で撫でながら、怜花の目を見据えて問いかける。

「…怜花は?怜花は子供が欲しいの?」
「わ、…私?」
「うん。俺がどうかより、そっちが重要だよ。だって俺は産めない。妊娠するのも出産するのも怜花にしかできないことだから。」
「…それは…そうだけど…。」

 問われるとよくわからなかった。真っ当に育ってきていない自分が誰かを育てるなんて、雲を掴むみたいなことのようにも思える。

「…じゃあ、俺の希望を言ってもいい?」
「も、もちろん!」
「普通に、怜花がいない方が無理だよ。子供どうこうとかじゃなくて、怜花がいないなら俺、どうやって今日一日を追えたらいいのかもわかんないし。」
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