夜を繋いで君と行く
唇の間を少しだけ割って侵入したもののせいで、怜花の口の中にも甘さが伝染した。
「…一緒に食べよ?」
「…一緒に食べるってこういうこと?」
「あーんしてくれるならそれも嬉しいかな。…ごめん、今日ちょっと…楽しくないことがあったから疲れてて。だから可愛い怜花がいつもより必要になってる感じがする。」
「…何があったか、聞いてもいい内容?」
「…うん。」
律は怜花を抱きしめ、その肩に額を軽く乗せた。
「今度の映画でいわゆるヒロイン枠を演じた人が…苦手で。」
「女の人?」
「…うん。近付くと吸い取られるから、自分からは近付かないんだけど、今日はたまたま雑誌の撮影終わり出くわしちゃって。」
「何か、された?」
怜花は律の背中に腕を回し、軽くポンポンと撫でながら問う。律は首を横に振った。
「されてないよ。…でも、疲れる。距離の詰め方も、強すぎる匂いも…疲れる。今日、怜花がいてよかった。…ちゃんと笑えてるでしょ?」
肩の重みがなくなったと思ったら、律が少しだけ顔を怜花の方に向けて力なく微笑む。そんな律の表情に、怜花は小さく唇を噛んだ。
「…ごめん、なんか嫌な気持ちにしちゃった?」
「こういう時はもっとわかりやすく疲れたって言っていいんだよ?律はずれてるよ本当に。風邪ひいたときもだけど、嫌なことがあったときも、聞いていい内容なら話してくれていいしそれを理由に癒されたい、甘えたいって言ってくれれば…。」
「…言ったら言った分だけ怜花は頑張っちゃうでしょ?加減が難しいなぁって。」
「…頑張るのは、頑張りたいからだからいいの。はい、口開けて。」
怜花はトリュフの入った箱を取り、一粒、律の口元にトリュフを運んだ。律の唇が指先に触れても動揺してトリュフを落とさなかった自分を褒めたい。ナッツ入りのトリュフを少しだけ噛む律と目が合う。
「あと2粒食べたい。」
「普通の?ナッツの方?」
「1個ずつがいい。怜花も食べようよ。俺ばっか食べると太るし。」
「…じゃあ1個だけ。」
「うん。」
怜花は普通のトリュフを一つ、口に運んだ。もぐもぐと咀嚼していると不意に律が怜花の唇を少し舐めた。
「なっ…!?」
「ココアパウダーだっけ?ついてたから。」
「理由になってないし!」
「隙見せると今日は全部食べつくしちゃうかも。…何せ今日は可愛い怜花を摂取しても摂取してもすーぐ乾いちゃうので。」
「…なんか可愛く言ってどうにかしようとしてない?」
「ばれたか…今日なんでもばれちゃうね。」
そう言ってへへっと軽く笑う律に、怜花は少しだけ体重を預けた。
「…一緒に食べよ?」
「…一緒に食べるってこういうこと?」
「あーんしてくれるならそれも嬉しいかな。…ごめん、今日ちょっと…楽しくないことがあったから疲れてて。だから可愛い怜花がいつもより必要になってる感じがする。」
「…何があったか、聞いてもいい内容?」
「…うん。」
律は怜花を抱きしめ、その肩に額を軽く乗せた。
「今度の映画でいわゆるヒロイン枠を演じた人が…苦手で。」
「女の人?」
「…うん。近付くと吸い取られるから、自分からは近付かないんだけど、今日はたまたま雑誌の撮影終わり出くわしちゃって。」
「何か、された?」
怜花は律の背中に腕を回し、軽くポンポンと撫でながら問う。律は首を横に振った。
「されてないよ。…でも、疲れる。距離の詰め方も、強すぎる匂いも…疲れる。今日、怜花がいてよかった。…ちゃんと笑えてるでしょ?」
肩の重みがなくなったと思ったら、律が少しだけ顔を怜花の方に向けて力なく微笑む。そんな律の表情に、怜花は小さく唇を噛んだ。
「…ごめん、なんか嫌な気持ちにしちゃった?」
「こういう時はもっとわかりやすく疲れたって言っていいんだよ?律はずれてるよ本当に。風邪ひいたときもだけど、嫌なことがあったときも、聞いていい内容なら話してくれていいしそれを理由に癒されたい、甘えたいって言ってくれれば…。」
「…言ったら言った分だけ怜花は頑張っちゃうでしょ?加減が難しいなぁって。」
「…頑張るのは、頑張りたいからだからいいの。はい、口開けて。」
怜花はトリュフの入った箱を取り、一粒、律の口元にトリュフを運んだ。律の唇が指先に触れても動揺してトリュフを落とさなかった自分を褒めたい。ナッツ入りのトリュフを少しだけ噛む律と目が合う。
「あと2粒食べたい。」
「普通の?ナッツの方?」
「1個ずつがいい。怜花も食べようよ。俺ばっか食べると太るし。」
「…じゃあ1個だけ。」
「うん。」
怜花は普通のトリュフを一つ、口に運んだ。もぐもぐと咀嚼していると不意に律が怜花の唇を少し舐めた。
「なっ…!?」
「ココアパウダーだっけ?ついてたから。」
「理由になってないし!」
「隙見せると今日は全部食べつくしちゃうかも。…何せ今日は可愛い怜花を摂取しても摂取してもすーぐ乾いちゃうので。」
「…なんか可愛く言ってどうにかしようとしてない?」
「ばれたか…今日なんでもばれちゃうね。」
そう言ってへへっと軽く笑う律に、怜花は少しだけ体重を預けた。