夜を繋いで君と行く
「…全部やりたい、俺が。もうちょっと部屋の温度も上げよっか。脱いだら寒いかも。」
スッと立ち上がって、ピッとエアコンの温度が上がった音がした。律はすぐさま戻ってくると、怜花を抱きしめた。
「…時間はめちゃくちゃかけたいし、全部一個ずつ確認しながら進むから、進めるところまででいいし、怖い、痛い、もう嫌だってなったら絶対我慢しないで言うこと。ビンタもつねるもなんでもしていいから、怜花は怜花の気持ちに正直になることを絶対に優先してください。俺を優先しないこと。絶対守って、この約束は。」
ぎゅうっと怜花を抱きしめる腕が強くなった。律の声が優しくて、言葉が沁みて、目が熱い。目を開けたらきっと零れてしまう。零したくなくて、怜花は律の背中に腕を回した。そしてそのままぎゅっと自分から距離を縮めた。
「…怜花…?」
「……。」
喉の奥で声が詰まってしまったかのように何も言えない。声の震えで、律には泣いていることにきっと気付く。
「…怜花…?大丈夫?」
「…律。」
怜花が腕を緩めると、それに呼応するかのように律の手が緩んだ。すうっと涙が零れた気がしたが、このまま流して目には涙が何もない状態で律に向き合いたかった。怜花の方から首を少しだけ伸ばして、律の唇に自分のものを重ねた。離れるときに妙に音が残ってしまい、それが余計に羞恥心を煽った。
「…な…え…?ってか泣いてない?」
「…泣いてない。」
「なんで嘘つくの。」
「…泣いてないってことにして、ほしい。…だって私が泣いたら、律は止まっちゃうでしょ?…今日を止めたいわけじゃないの。律の優しさとか、…ずっと欲しいって思っててくれたのに、…ずっと私を待っててくれたこととかそういうのが今全部返ってきて、全部受け止めたら零れただけ。…大丈夫だから、…律にキスしたの。生まれて初めて、自分からキスしたいって今、思ったから。」
律は『もっとする』と言ってキスをしてきたことはあっても、一度だってキスしてとねだったことはなかった。触れることも、触れられることも嫌いな人ではないのに。怜花が律に触れられて嬉しいように、その同じ嬉しさを与えずにきたのに。『怜花からしてくれることは何でも嬉しい』と、それこそ何度も言ってくれていたのに。
だから、今日は触れたい。今まで触れなかった分も返せるように、自分から手を伸ばしたかった。
スッと立ち上がって、ピッとエアコンの温度が上がった音がした。律はすぐさま戻ってくると、怜花を抱きしめた。
「…時間はめちゃくちゃかけたいし、全部一個ずつ確認しながら進むから、進めるところまででいいし、怖い、痛い、もう嫌だってなったら絶対我慢しないで言うこと。ビンタもつねるもなんでもしていいから、怜花は怜花の気持ちに正直になることを絶対に優先してください。俺を優先しないこと。絶対守って、この約束は。」
ぎゅうっと怜花を抱きしめる腕が強くなった。律の声が優しくて、言葉が沁みて、目が熱い。目を開けたらきっと零れてしまう。零したくなくて、怜花は律の背中に腕を回した。そしてそのままぎゅっと自分から距離を縮めた。
「…怜花…?」
「……。」
喉の奥で声が詰まってしまったかのように何も言えない。声の震えで、律には泣いていることにきっと気付く。
「…怜花…?大丈夫?」
「…律。」
怜花が腕を緩めると、それに呼応するかのように律の手が緩んだ。すうっと涙が零れた気がしたが、このまま流して目には涙が何もない状態で律に向き合いたかった。怜花の方から首を少しだけ伸ばして、律の唇に自分のものを重ねた。離れるときに妙に音が残ってしまい、それが余計に羞恥心を煽った。
「…な…え…?ってか泣いてない?」
「…泣いてない。」
「なんで嘘つくの。」
「…泣いてないってことにして、ほしい。…だって私が泣いたら、律は止まっちゃうでしょ?…今日を止めたいわけじゃないの。律の優しさとか、…ずっと欲しいって思っててくれたのに、…ずっと私を待っててくれたこととかそういうのが今全部返ってきて、全部受け止めたら零れただけ。…大丈夫だから、…律にキスしたの。生まれて初めて、自分からキスしたいって今、思ったから。」
律は『もっとする』と言ってキスをしてきたことはあっても、一度だってキスしてとねだったことはなかった。触れることも、触れられることも嫌いな人ではないのに。怜花が律に触れられて嬉しいように、その同じ嬉しさを与えずにきたのに。『怜花からしてくれることは何でも嬉しい』と、それこそ何度も言ってくれていたのに。
だから、今日は触れたい。今まで触れなかった分も返せるように、自分から手を伸ばしたかった。