夜を繋いで君と行く
「こういう言い方、所有物みたいで…律をモノ扱いしているみたいで良くないなって思うんだけど…。」
「うん。」
「律は…私の…だし、私の大切な人、だから…。わ、私ですら律に触れるのっていっぱい考えて、その、気合入れないとできないのに、律の彼女でもないのに…そんな軽々しく触らないでほしいなって…おも…思いました。」
「…いっぱい考えなくていいのに。ずっと大歓迎だよ、怜花だけだけど。」
「…今日は、考えてもいるけど…考えてるよりも先に手が伸びてる、かも。…だって。」
「うん。」
「…律の涙、初めて見つけられたから。取りこぼしたくないよ。律が言ってくれたみたいに、どんな表情も取りこぼしたくない。見て、覚えて、持っていたい。…私ばっかり泣いてるし、いつも。私だってね、慰めることも一緒に考えることも、嫌だねって言い合うこともできる。…楽しいことだけをわけてほしいわけじゃないんだよ。…ちょっとは私のこと、頼ってね?ちゃんと嫌なこともそれなりにやっつけて、生きてきてるよ。」
怜花の腕がぐっと引かれて、体の上半身が強く抱きしめられる。耳元ではぁーと深くため息をつく音が聞こえた。
「…これかぁ、涙が戻ってくるって怜花が前に言ってたやつ。…確かに戻ってくる。…はぁ、ほんと、だっさ、俺。」
「あのね、いっぱい泣いた先輩として一つだけ、偉そうなこと言ってもいい?」
「いいよ。何?」
「安心してもね、涙は出るの。律の腕の中にこんなにいてもいいんだって、こんなに優しく抱きしめてもらえるんだなって思ったら安心して、幸せだなって思えて、涙が出たの。辛いことだけで涙は出るわけじゃないのです。」
怜花がそう言うと、律の腕の力は強まった。肩に乗った律の頭の重みを感じる。
「…先輩、説得力が違うね。」
「私の弱音も不安も全部受け止めて、大丈夫って言うのがいつもの律だから、私が今日は律になるよ。…だから、ださくてもかっこ悪くてもいいの。それはいつもの私なんだから。…律は私の役を思う存分やっていいよ。私は律の役をやるから。」
首にわずかに、涙の粒が落ちてきた気がする。
「あー…きつかったなぁ、本当に。」
「うん。」
「…俺が大事にしてるものなんて多くないのに、それすら踏み荒らされるの…きついって。」
「そうだね。あ、ねぇ律。ちょっとだけ腕、解いて?」
「…やだ。」
「えー?だって腕ごとぎゅってされてるから、抱きしめ返せないよ。顔は見ないから。ね?」
律の腕がゆるやかに解かれた。そして怜花は体をぴたりと寄せて、ぎゅっと強く抱きしめる。
「うん。」
「律は…私の…だし、私の大切な人、だから…。わ、私ですら律に触れるのっていっぱい考えて、その、気合入れないとできないのに、律の彼女でもないのに…そんな軽々しく触らないでほしいなって…おも…思いました。」
「…いっぱい考えなくていいのに。ずっと大歓迎だよ、怜花だけだけど。」
「…今日は、考えてもいるけど…考えてるよりも先に手が伸びてる、かも。…だって。」
「うん。」
「…律の涙、初めて見つけられたから。取りこぼしたくないよ。律が言ってくれたみたいに、どんな表情も取りこぼしたくない。見て、覚えて、持っていたい。…私ばっかり泣いてるし、いつも。私だってね、慰めることも一緒に考えることも、嫌だねって言い合うこともできる。…楽しいことだけをわけてほしいわけじゃないんだよ。…ちょっとは私のこと、頼ってね?ちゃんと嫌なこともそれなりにやっつけて、生きてきてるよ。」
怜花の腕がぐっと引かれて、体の上半身が強く抱きしめられる。耳元ではぁーと深くため息をつく音が聞こえた。
「…これかぁ、涙が戻ってくるって怜花が前に言ってたやつ。…確かに戻ってくる。…はぁ、ほんと、だっさ、俺。」
「あのね、いっぱい泣いた先輩として一つだけ、偉そうなこと言ってもいい?」
「いいよ。何?」
「安心してもね、涙は出るの。律の腕の中にこんなにいてもいいんだって、こんなに優しく抱きしめてもらえるんだなって思ったら安心して、幸せだなって思えて、涙が出たの。辛いことだけで涙は出るわけじゃないのです。」
怜花がそう言うと、律の腕の力は強まった。肩に乗った律の頭の重みを感じる。
「…先輩、説得力が違うね。」
「私の弱音も不安も全部受け止めて、大丈夫って言うのがいつもの律だから、私が今日は律になるよ。…だから、ださくてもかっこ悪くてもいいの。それはいつもの私なんだから。…律は私の役を思う存分やっていいよ。私は律の役をやるから。」
首にわずかに、涙の粒が落ちてきた気がする。
「あー…きつかったなぁ、本当に。」
「うん。」
「…俺が大事にしてるものなんて多くないのに、それすら踏み荒らされるの…きついって。」
「そうだね。あ、ねぇ律。ちょっとだけ腕、解いて?」
「…やだ。」
「えー?だって腕ごとぎゅってされてるから、抱きしめ返せないよ。顔は見ないから。ね?」
律の腕がゆるやかに解かれた。そして怜花は体をぴたりと寄せて、ぎゅっと強く抱きしめる。