夜を繋いで君と行く
唇が触れて、ついばまれて、甘い音が鳴る。目を開けてもいいのかなと思ったタイミングでまた唇を塞がれてしまう。呼吸が上手にできなくて、律の胸元のスウェットを掴んでいた手に力が入った。
「…ごめん。苦しくさせちゃった。」
それに気付いた律がそっと離れて、怜花の背に手を回した。労わるように怜花の背を撫でる律の手には温度が戻っていた。
「…息するタイミング、…あの、キスが長いと難しくて…。」
「長いキス、練習中だもんね俺ら。ごめんね、ずっと頑張らせちゃって。」
「それはいいんだけど…ふ、不慣れな私に付き合ってもらってるわけだし…。」
「俺も別に慣れてはないけど、単純に肺活量で上回ってるから怜花より先に苦しくなんないだけだよ。…苦しくさせないようにするから、もっとしていい?」
「…ね、寝ないの?」
「寝るよ?でもベッドで横向いてたらさ、いっぱいキスするの難しいから。もうちょっと怜花が欲しい。」
律がこんなにはっきりと『欲しい』と言うのは初めてだった。まっすぐ向けられる『欲しい』という言葉が耳の中にこだまして、怜花の頬の温度を上げる。
「…やだ?」
「…その聞き方、ずるくない?しかもそんな甘えた声出して!声優の得意技使ってるでしょ!」
「今日はもうこの声から戻れないよ。だってめちゃくちゃ甘やかされちゃってるし。…怜花が何でもしてくれるし、何言っても叶う。…泣いても喚いても、ださくても一緒に寝てくれる。…甘えちゃうよ、そんなの。」
「…ちょっとだけだよ。」
「…ちょっとが長くなっちゃったらごめんね。」
「んっ…。」
再び重なった唇は、食むように触れてひとつひとつ、音を落としていく。
「苦しいってなる前に絶対やめるから…。」
「…?」
吐息の重なり合うような距離で、律の声が少し掠れて耳に届く。
「ちょっとだけ口、開けて?」
「…苦しいの、こま、る…よ…?」
「うん。知ってる。だから、慣れてもらうためにちょっとだけ。…あーん?」
律に言われるがままに、怜花は小さく口を開けた。その隙間をぬって触れる舌の熱さにいつも驚いて体が逃げてしまうが、それを見越した律は怜花の体が離れていかないように、背に手を回していた。
「…ちょっと慣れてきたね。舞台挨拶全部終わったらご褒美のちゅーは貰っていいの?」
「…わ、私がするの?」
「怜花にキスしてってねだるの、負担になったら嫌だなって思って言ってなかったけど…普通にいつもしてほしいなとは思ってるんで。別に俺からしてもいいけどね。っていうか、怜花にしてもらって終わりとかじゃなくて、いっぱいしたい。ご褒美は、いっぱいがいい。」
「…それで、律は無理をしないで頑張れる?」
「…頑張れるよ。…そうじゃんね、大変なことがあったらいちゃいちゃタイムをご褒美にぶら下げてたら、頑張れちゃうかも。…全部怜花がいるからだね。」
そう言って律の額がそっと、怜花のものに重なった。怜花は静かに目を閉じて、体温がいつも通りになった律を感じていた。
「…ごめん。苦しくさせちゃった。」
それに気付いた律がそっと離れて、怜花の背に手を回した。労わるように怜花の背を撫でる律の手には温度が戻っていた。
「…息するタイミング、…あの、キスが長いと難しくて…。」
「長いキス、練習中だもんね俺ら。ごめんね、ずっと頑張らせちゃって。」
「それはいいんだけど…ふ、不慣れな私に付き合ってもらってるわけだし…。」
「俺も別に慣れてはないけど、単純に肺活量で上回ってるから怜花より先に苦しくなんないだけだよ。…苦しくさせないようにするから、もっとしていい?」
「…ね、寝ないの?」
「寝るよ?でもベッドで横向いてたらさ、いっぱいキスするの難しいから。もうちょっと怜花が欲しい。」
律がこんなにはっきりと『欲しい』と言うのは初めてだった。まっすぐ向けられる『欲しい』という言葉が耳の中にこだまして、怜花の頬の温度を上げる。
「…やだ?」
「…その聞き方、ずるくない?しかもそんな甘えた声出して!声優の得意技使ってるでしょ!」
「今日はもうこの声から戻れないよ。だってめちゃくちゃ甘やかされちゃってるし。…怜花が何でもしてくれるし、何言っても叶う。…泣いても喚いても、ださくても一緒に寝てくれる。…甘えちゃうよ、そんなの。」
「…ちょっとだけだよ。」
「…ちょっとが長くなっちゃったらごめんね。」
「んっ…。」
再び重なった唇は、食むように触れてひとつひとつ、音を落としていく。
「苦しいってなる前に絶対やめるから…。」
「…?」
吐息の重なり合うような距離で、律の声が少し掠れて耳に届く。
「ちょっとだけ口、開けて?」
「…苦しいの、こま、る…よ…?」
「うん。知ってる。だから、慣れてもらうためにちょっとだけ。…あーん?」
律に言われるがままに、怜花は小さく口を開けた。その隙間をぬって触れる舌の熱さにいつも驚いて体が逃げてしまうが、それを見越した律は怜花の体が離れていかないように、背に手を回していた。
「…ちょっと慣れてきたね。舞台挨拶全部終わったらご褒美のちゅーは貰っていいの?」
「…わ、私がするの?」
「怜花にキスしてってねだるの、負担になったら嫌だなって思って言ってなかったけど…普通にいつもしてほしいなとは思ってるんで。別に俺からしてもいいけどね。っていうか、怜花にしてもらって終わりとかじゃなくて、いっぱいしたい。ご褒美は、いっぱいがいい。」
「…それで、律は無理をしないで頑張れる?」
「…頑張れるよ。…そうじゃんね、大変なことがあったらいちゃいちゃタイムをご褒美にぶら下げてたら、頑張れちゃうかも。…全部怜花がいるからだね。」
そう言って律の額がそっと、怜花のものに重なった。怜花は静かに目を閉じて、体温がいつも通りになった律を感じていた。