夜を繋いで君と行く
* * *
「…懺悔、させてください。」
「え、何?いきなりどうしたの。」
「懺悔とは、穏やかではないですね。」
舞台挨拶が終わってもなおまだ時間は15時を少し過ぎたところで、帰りの新幹線は19時台を手配してもらっていたため、九重おすすめのきしめんを食べに来ていた。個室タイプでゆったりとした空間と、そこはかとなく香るだしのかおりに少しだけ安らぐ。怜花は律の隣に、九重は律の向かいに着席し、注文をし終えたところで怜花は口を開いた。
「…あの、全部咄嗟のこととはいえ、やりすぎてしまったかもしれません…。」
「そうなんですか、二階堂さん。」
「いや、俺のボディーガードを120点満点でやってたよ。」
「ボディーガードではなくマネージャーとして居ていただいたはずですが?」
律は自分に甘い判断を下すことは予想できていたため、ここは九重に正直に話して場合によってはどうにかしてもらうしかないと思い、怜花は両膝の上に置いた拳をぎゅっと握り、少し俯いたまま話し始めた。
「…そうなんです。そうでしたよね…九重さんには、星宮ゆりあが律に近付こうとしたら止めること、触らせないことを頼まれました。」
「ええ、その通りです。そしてそれは遂行されたと伺っていますが。」
「…それはまぁ、その、そうなんですけど…やりすぎた、かもって。」
「…面白くなってきましたね。やりすぎですか?何をしたんです、怜花さん。」
九重は頬杖をつきながら少し怪しげに笑った。
「スーパーヒーローみたいにすっ飛んできたんだよね。俺とあの子の間に割って入って、隣に座って相も変わらず話し続けようとしたのを止めて、俺の横に居てくれたの。やりすぎてないでしょ?」
「割って入った!いいですねぇ、そういうの。それで、星宮ゆりあは大丈夫でしたか?」
心底楽しそうに九重は笑っている。とりあえず一つ目にしてしまったことについては怒られずに済みそうだ。しかし二つ目は、今思うとやりすぎだ。向こうは芸能人で、自分はただの一般人。全て本音だったとはいえ、それにしたって言いすぎだ。
「…怒っては、いたと思います。ただ、五十嵐監督が上手く話してくださったので事なきを得ました。」
「そうでしたか。まぁでも、五十嵐監督は二階堂さんの味方ですからね。いやしかし、怜花さんは結構体を張ってますね。そこまでしてくださらなくて大丈夫でしたよ。懺悔は以上ですか?」
「…えっと、それが…もう1個の方が深刻というか…。」
「え、まだあるの?」
律の問いに、怜花は静かに頷いた。劇場を出てすぐ移動したため、話すタイミングがなかった。今ここで初めて、律と九重の二人に話すのだ。
「…懺悔、させてください。」
「え、何?いきなりどうしたの。」
「懺悔とは、穏やかではないですね。」
舞台挨拶が終わってもなおまだ時間は15時を少し過ぎたところで、帰りの新幹線は19時台を手配してもらっていたため、九重おすすめのきしめんを食べに来ていた。個室タイプでゆったりとした空間と、そこはかとなく香るだしのかおりに少しだけ安らぐ。怜花は律の隣に、九重は律の向かいに着席し、注文をし終えたところで怜花は口を開いた。
「…あの、全部咄嗟のこととはいえ、やりすぎてしまったかもしれません…。」
「そうなんですか、二階堂さん。」
「いや、俺のボディーガードを120点満点でやってたよ。」
「ボディーガードではなくマネージャーとして居ていただいたはずですが?」
律は自分に甘い判断を下すことは予想できていたため、ここは九重に正直に話して場合によってはどうにかしてもらうしかないと思い、怜花は両膝の上に置いた拳をぎゅっと握り、少し俯いたまま話し始めた。
「…そうなんです。そうでしたよね…九重さんには、星宮ゆりあが律に近付こうとしたら止めること、触らせないことを頼まれました。」
「ええ、その通りです。そしてそれは遂行されたと伺っていますが。」
「…それはまぁ、その、そうなんですけど…やりすぎた、かもって。」
「…面白くなってきましたね。やりすぎですか?何をしたんです、怜花さん。」
九重は頬杖をつきながら少し怪しげに笑った。
「スーパーヒーローみたいにすっ飛んできたんだよね。俺とあの子の間に割って入って、隣に座って相も変わらず話し続けようとしたのを止めて、俺の横に居てくれたの。やりすぎてないでしょ?」
「割って入った!いいですねぇ、そういうの。それで、星宮ゆりあは大丈夫でしたか?」
心底楽しそうに九重は笑っている。とりあえず一つ目にしてしまったことについては怒られずに済みそうだ。しかし二つ目は、今思うとやりすぎだ。向こうは芸能人で、自分はただの一般人。全て本音だったとはいえ、それにしたって言いすぎだ。
「…怒っては、いたと思います。ただ、五十嵐監督が上手く話してくださったので事なきを得ました。」
「そうでしたか。まぁでも、五十嵐監督は二階堂さんの味方ですからね。いやしかし、怜花さんは結構体を張ってますね。そこまでしてくださらなくて大丈夫でしたよ。懺悔は以上ですか?」
「…えっと、それが…もう1個の方が深刻というか…。」
「え、まだあるの?」
律の問いに、怜花は静かに頷いた。劇場を出てすぐ移動したため、話すタイミングがなかった。今ここで初めて、律と九重の二人に話すのだ。