夜を繋いで君と行く
怜花は頷いた。その後も矢継ぎ早に言葉を足してしまったのだ。
「可愛いだけじゃ、生きていけない。…選ばれたいなら、選ばないといけない。…誰でもいいならそれはどうでもいいってことなんだってこと。『可愛い』は消費されるだけってこと…消費と特別は違うとも、言いました。」
怜花自身、他人にここまで思いの丈をむき出しの状態でぶつけたのは初めてだった。思っていたことはそのまま本音で、本音をいつもはもう少し柔らかくして言葉にするのに、今日は違った。自分の言葉の鋭さを気にするよりも先に出てしまったのだ。
「…怜花さんのような方に言われたのであれば、少しは彼女にも響いたのではありませんか?」
「え…?」
「明らかにただのマネージャーにしておくには勿体ないビジュアルですよ、怜花さんは。そこは一般論としてそうであると捉えてください。そして、そのような方が『可愛い』だけでは生きていけないなんてことを言うんですから、星宮ゆりあとしては言い返せないでしょうね。だって彼女は今までもこれからも『可愛い』だけでちやほやされて、好き勝手に奪い尽くして生きていくつもりだったでしょうから。」
律はゆっくりと、怜花の肩にもたれた自身の体を起こした。そして真剣な眼差しを一度九重に向けた。
「はぁー…本当に、そこまで自信に溢れてて羨ましいよ。見た目だけで生きていけるなんて、どうして思えるんだろう。そんなはずないのにね。」
「お二方のような見た目の方にそのようなことを言われますと、いわゆる一般的な標準枠の僕の人生はなかなかのハードモードになってしまいますね。顔が良くても人生は大変であるならば、顔が普通の我々のようなタイプはもっと大変である、と。」
また九重の口角が上がっている。律は首を振って、その言葉の続きを引き取った。
「顔がいいことでのメリットをメリットだと感じられるなら人生はイージーかもしれないけど、そこをメリットと感じられなかった時点で、人生のハードさは変わらないんじゃないかな。ってか、こうやってさ、変な女に付きまとわれて、彼女に迷惑かけて、マネージャーにも余計な気をずっと遣わせて~ってやるの、普通にメリット、どこにもなくない?」
「まぁ、デメリットばっかりですね。僕は普通の顔で良かったと思ってますよ。二階堂さんを見ていると特に、イケメンへの憧れなど、どこかへ行きました。」
「最初っからイケメンに憧れとかないじゃん、九重くん。」
律がそう言うと、少しとぼけた顔をした九重は、今度は怜花に向き直った。
「『可愛い』方として消費されていると感じた経験があるからこその言葉だと思いますよ、僕は。彼女がどう受け止めたかはわかりませんが、僕は怜花さんの言葉を、重く受け止めます。…話してくださり、ありがとうございます。」
そして九重は深く一度、頭を下げた。
「可愛いだけじゃ、生きていけない。…選ばれたいなら、選ばないといけない。…誰でもいいならそれはどうでもいいってことなんだってこと。『可愛い』は消費されるだけってこと…消費と特別は違うとも、言いました。」
怜花自身、他人にここまで思いの丈をむき出しの状態でぶつけたのは初めてだった。思っていたことはそのまま本音で、本音をいつもはもう少し柔らかくして言葉にするのに、今日は違った。自分の言葉の鋭さを気にするよりも先に出てしまったのだ。
「…怜花さんのような方に言われたのであれば、少しは彼女にも響いたのではありませんか?」
「え…?」
「明らかにただのマネージャーにしておくには勿体ないビジュアルですよ、怜花さんは。そこは一般論としてそうであると捉えてください。そして、そのような方が『可愛い』だけでは生きていけないなんてことを言うんですから、星宮ゆりあとしては言い返せないでしょうね。だって彼女は今までもこれからも『可愛い』だけでちやほやされて、好き勝手に奪い尽くして生きていくつもりだったでしょうから。」
律はゆっくりと、怜花の肩にもたれた自身の体を起こした。そして真剣な眼差しを一度九重に向けた。
「はぁー…本当に、そこまで自信に溢れてて羨ましいよ。見た目だけで生きていけるなんて、どうして思えるんだろう。そんなはずないのにね。」
「お二方のような見た目の方にそのようなことを言われますと、いわゆる一般的な標準枠の僕の人生はなかなかのハードモードになってしまいますね。顔が良くても人生は大変であるならば、顔が普通の我々のようなタイプはもっと大変である、と。」
また九重の口角が上がっている。律は首を振って、その言葉の続きを引き取った。
「顔がいいことでのメリットをメリットだと感じられるなら人生はイージーかもしれないけど、そこをメリットと感じられなかった時点で、人生のハードさは変わらないんじゃないかな。ってか、こうやってさ、変な女に付きまとわれて、彼女に迷惑かけて、マネージャーにも余計な気をずっと遣わせて~ってやるの、普通にメリット、どこにもなくない?」
「まぁ、デメリットばっかりですね。僕は普通の顔で良かったと思ってますよ。二階堂さんを見ていると特に、イケメンへの憧れなど、どこかへ行きました。」
「最初っからイケメンに憧れとかないじゃん、九重くん。」
律がそう言うと、少しとぼけた顔をした九重は、今度は怜花に向き直った。
「『可愛い』方として消費されていると感じた経験があるからこその言葉だと思いますよ、僕は。彼女がどう受け止めたかはわかりませんが、僕は怜花さんの言葉を、重く受け止めます。…話してくださり、ありがとうございます。」
そして九重は深く一度、頭を下げた。