夜を繋いで君と行く
* * *
事務所までは九重と一緒に戻り、事務所に停めてあった律の車で、律の自宅まで戻ってきた。時刻は22時を過ぎていた。
「帰ってきたぁ……。」
律は荷物を玄関に下ろすと、怜花の方を振り返ってぎゅっと抱きしめた。
「いちゃいちゃ解禁~。」
「……解禁も何も、結構ハグはしたと思うけど。」
「まぁね。……怜花。」
律の腕が緩み、二人の間には隙間ができた。ゆるく怜花の背に回った律の腕はまだ解けてはいない。
「何?」
「前にさ、怜花は甘えの前借りをしてるって言ってたじゃん?」
怜花の目は泳ぐ。確かにそれは言った。しかし今日の話の流れがその先、どうなるのか読めなくて、『う…』と小さく息を漏らす。
「その前借り、まだ残ってる?」
「え?」
「残ってる分がまだあるなら、今日その前借りを消費し尽くして、怜花と同じ位置に戻りたいなって思ってて。」
律から貰ったものが多すぎて、ここのところの数日間で返し終えたとは思えなかった。残っている分は絶対にあるが、どのくらい残っているかと問われると、答えは難しかった。
「残っている分は、ある、よ。多分、いっぱい。全然、私のしてることじゃ律がくれたものに追いつかないし。」
「そんなことはないと思うけど、怜花がそう言うなら、俺はその言葉をそのまんま受け取って、やりたい放題やるけどいいの?」
「やりたい、放題……?」
怜花は明日を休みにしていたが、律はいつも通り夜のラジオがある。落ち着いて寝かせられる今日は、できれば早く休ませたかった。やりたい放題がどの範囲なのかはわからない。だからこそ安易に『いいよ』とは言えなかった。
「中身によります、やりたい放題の。」
「あ、怜花ならいいよって言うかと思ったのにー!」
「だ、だって律、疲れてるから。律のやりたいことに付き合いたいけど、時間も遅いしあんまり無茶はさせられないよ。」
「無茶なんかしないよ。ただ、怜花っていうご褒美をいっぱい貰いたいだけ。大体ずっと1回で我慢してきたんだから、全部終わったらいっぱいがいいって言いました、俺。」
「……うっ、き、聞きました。」
「さすが!物覚えいいね。」
「律だっていいくせに。」
「うん。まずは一緒にお風呂がいいです。」
「だ、だめ!時間かかるから!」
「えぇ~時間かかってもいいし、前やったときみたいに怜花、服着ていいよ?」
「そういうことじゃない!」
風呂からこの調子で時間を食っていたら何時に寝ることになるのかわからない。それは許可できなくて、代わりにベッドでゴロゴロする時間を長くしようということを律に無理矢理飲ませて、怜花はバスルームまで律の背中を押した。
事務所までは九重と一緒に戻り、事務所に停めてあった律の車で、律の自宅まで戻ってきた。時刻は22時を過ぎていた。
「帰ってきたぁ……。」
律は荷物を玄関に下ろすと、怜花の方を振り返ってぎゅっと抱きしめた。
「いちゃいちゃ解禁~。」
「……解禁も何も、結構ハグはしたと思うけど。」
「まぁね。……怜花。」
律の腕が緩み、二人の間には隙間ができた。ゆるく怜花の背に回った律の腕はまだ解けてはいない。
「何?」
「前にさ、怜花は甘えの前借りをしてるって言ってたじゃん?」
怜花の目は泳ぐ。確かにそれは言った。しかし今日の話の流れがその先、どうなるのか読めなくて、『う…』と小さく息を漏らす。
「その前借り、まだ残ってる?」
「え?」
「残ってる分がまだあるなら、今日その前借りを消費し尽くして、怜花と同じ位置に戻りたいなって思ってて。」
律から貰ったものが多すぎて、ここのところの数日間で返し終えたとは思えなかった。残っている分は絶対にあるが、どのくらい残っているかと問われると、答えは難しかった。
「残っている分は、ある、よ。多分、いっぱい。全然、私のしてることじゃ律がくれたものに追いつかないし。」
「そんなことはないと思うけど、怜花がそう言うなら、俺はその言葉をそのまんま受け取って、やりたい放題やるけどいいの?」
「やりたい、放題……?」
怜花は明日を休みにしていたが、律はいつも通り夜のラジオがある。落ち着いて寝かせられる今日は、できれば早く休ませたかった。やりたい放題がどの範囲なのかはわからない。だからこそ安易に『いいよ』とは言えなかった。
「中身によります、やりたい放題の。」
「あ、怜花ならいいよって言うかと思ったのにー!」
「だ、だって律、疲れてるから。律のやりたいことに付き合いたいけど、時間も遅いしあんまり無茶はさせられないよ。」
「無茶なんかしないよ。ただ、怜花っていうご褒美をいっぱい貰いたいだけ。大体ずっと1回で我慢してきたんだから、全部終わったらいっぱいがいいって言いました、俺。」
「……うっ、き、聞きました。」
「さすが!物覚えいいね。」
「律だっていいくせに。」
「うん。まずは一緒にお風呂がいいです。」
「だ、だめ!時間かかるから!」
「えぇ~時間かかってもいいし、前やったときみたいに怜花、服着ていいよ?」
「そういうことじゃない!」
風呂からこの調子で時間を食っていたら何時に寝ることになるのかわからない。それは許可できなくて、代わりにベッドでゴロゴロする時間を長くしようということを律に無理矢理飲ませて、怜花はバスルームまで律の背中を押した。