夜を繋いで君と行く
* * *
12月の3週目が終わる、日曜日。怜花はベッドの上から動けないでいた。スマートフォンは震えなくなった。自分のせいなのに、もう終わってしまったんだなと思うと胸が軋んだ。
ライブが終わって迎えた月曜日。連絡先を消すこともブロックすることもできなかった怜花のスマートフォンには、二階堂からの連絡が来ていた。他のものを見ようとしたときに間違ってタップをし既読をつけてしまって、会社なのに泣きそうになって、すぐにそのまま伏せた。
火曜日の夜は着信があった。水曜日も。木曜は、LINEでメッセージが入っていた。既読をつけなくても読める部分にあった文字にすら優しさがあって辛かった。
『大丈夫?何かあった?』
二階堂の声で再生されてしまうのが憎い。アプリで聞く声じゃない声で、頭の中に直接響いてくるのが苦しかった。
結局二階堂からのLINEを非表示設定にすることにした。名前がちらつくと、もうそれだけで辛かった。
何かを作る気にもなれず、インスタント食品で繋いでいた。便利な世の中にこういう時は素直に感謝できる。
逃げるしかなかった、とずっと自分に言い訳をしている。二階堂に会ってしまったら、終わりにしましょうと言える気がしないから、こうやってフェードアウトすることを望んだ。忘れてほしい。連絡をするに値しない人だと切り捨ててほしい。
わけもなく涙が出て、止まらない。特に土日はひどかった。仕事中はやるべきことがあるからまだいい。休日はやるべきことがない。そうすると余計なことしか考えない頭はすぐに二階堂のことに引っ張られてしまう。眠れもしないから、時折クラっと立ち眩みまでする始末だった。
(さすがに痩せたかも。そろそろまともなもの食べないとまずい…かな。)
買い出しに行くところから始めないと、冷蔵庫にはまともなものがなかったように思う。フラフラの体をどうにか支え、エコバックと財布、スマートフォンだけを持って外に出ようとした時、怜花のスマートフォンが震えた。珍しい、里依からの着信だった。
12月の3週目が終わる、日曜日。怜花はベッドの上から動けないでいた。スマートフォンは震えなくなった。自分のせいなのに、もう終わってしまったんだなと思うと胸が軋んだ。
ライブが終わって迎えた月曜日。連絡先を消すこともブロックすることもできなかった怜花のスマートフォンには、二階堂からの連絡が来ていた。他のものを見ようとしたときに間違ってタップをし既読をつけてしまって、会社なのに泣きそうになって、すぐにそのまま伏せた。
火曜日の夜は着信があった。水曜日も。木曜は、LINEでメッセージが入っていた。既読をつけなくても読める部分にあった文字にすら優しさがあって辛かった。
『大丈夫?何かあった?』
二階堂の声で再生されてしまうのが憎い。アプリで聞く声じゃない声で、頭の中に直接響いてくるのが苦しかった。
結局二階堂からのLINEを非表示設定にすることにした。名前がちらつくと、もうそれだけで辛かった。
何かを作る気にもなれず、インスタント食品で繋いでいた。便利な世の中にこういう時は素直に感謝できる。
逃げるしかなかった、とずっと自分に言い訳をしている。二階堂に会ってしまったら、終わりにしましょうと言える気がしないから、こうやってフェードアウトすることを望んだ。忘れてほしい。連絡をするに値しない人だと切り捨ててほしい。
わけもなく涙が出て、止まらない。特に土日はひどかった。仕事中はやるべきことがあるからまだいい。休日はやるべきことがない。そうすると余計なことしか考えない頭はすぐに二階堂のことに引っ張られてしまう。眠れもしないから、時折クラっと立ち眩みまでする始末だった。
(さすがに痩せたかも。そろそろまともなもの食べないとまずい…かな。)
買い出しに行くところから始めないと、冷蔵庫にはまともなものがなかったように思う。フラフラの体をどうにか支え、エコバックと財布、スマートフォンだけを持って外に出ようとした時、怜花のスマートフォンが震えた。珍しい、里依からの着信だった。