夜を繋いで君と行く
「好きか嫌いかでいえば、そりゃ嫌いですよ。」
二階堂がそれなりに突っ込んでくるのだから、怜花の方も遠慮せずに言葉をぶつけることにする。二階堂も『男』という、怜花が苦手で嫌いなカテゴリーに入る人だとわかっていて、あえて口にした。しかし二階堂はといえばそれに対して特に何でもなさそうに、軽く笑いながら会話を続けている。
「よく来たね、今日。」
「…里依の頼みなので。」
頼まれなかったら来なかった。しかし、来てよかったとは思っている。里依のキャパオーバーに気付けるから。
「そっか。まぁでも俺も、恋人より仕事とか友達とかの方が大事かも。だから別に恋愛しろとか言うつもりはないから安心して。」
「そんなこと言われても別に気にしないですけどね。でもはっきりとした美人って言葉だけはメモしておきます。」
「してして。怜花ちゃんは割と俺のタイプの顔だよ。性格もいいね、なんか。裏表なくて、さっぱりしてて。」
「…まぁある意味、二階堂さんは楽です。私をそういう目で見てこないってわかってるし、でも三澄さんと里依のこれからを見守る上で、三澄さん側の情報収集源としては重要かなってくらいな感じで。」
「おお〜俺は情報横流し男ってこと?」
「いえ。それは2人に何かあって、里依が悲しんでる時だけです。多分三澄さんは、里依のそういう心もちゃんと拾えるから、これは杞憂ですけど。」
そう。きっとこれから里依に何かがあったとしても、それは三澄が拾ってくれる。そのことは、里依と三澄の距離が近付いていくのを見守っていたからよく知っている。里依と友達であることはこれからも変わりはないけれど、里依を一番に大切にしてくれる人は三澄で、そしてその三澄はそれこそ真っ直ぐに、真摯に里依に向き合っている。
「怜花ちゃんは、いいの?寂しくない?」
「里依が取られちゃって的なことを言ってます?」
「うん。」
裏表がないのはあなたも同じでは、と思わず言いかけてぐっと飲み込んだ。本当に容赦なく、何でも訊いてくる。程よく知らない人で他人だからこそ、なんだかするすると話してしまっている自分もいて、改めて口にすることで自分の気持ちを再確認しているような気にもなってくる。
二階堂がそれなりに突っ込んでくるのだから、怜花の方も遠慮せずに言葉をぶつけることにする。二階堂も『男』という、怜花が苦手で嫌いなカテゴリーに入る人だとわかっていて、あえて口にした。しかし二階堂はといえばそれに対して特に何でもなさそうに、軽く笑いながら会話を続けている。
「よく来たね、今日。」
「…里依の頼みなので。」
頼まれなかったら来なかった。しかし、来てよかったとは思っている。里依のキャパオーバーに気付けるから。
「そっか。まぁでも俺も、恋人より仕事とか友達とかの方が大事かも。だから別に恋愛しろとか言うつもりはないから安心して。」
「そんなこと言われても別に気にしないですけどね。でもはっきりとした美人って言葉だけはメモしておきます。」
「してして。怜花ちゃんは割と俺のタイプの顔だよ。性格もいいね、なんか。裏表なくて、さっぱりしてて。」
「…まぁある意味、二階堂さんは楽です。私をそういう目で見てこないってわかってるし、でも三澄さんと里依のこれからを見守る上で、三澄さん側の情報収集源としては重要かなってくらいな感じで。」
「おお〜俺は情報横流し男ってこと?」
「いえ。それは2人に何かあって、里依が悲しんでる時だけです。多分三澄さんは、里依のそういう心もちゃんと拾えるから、これは杞憂ですけど。」
そう。きっとこれから里依に何かがあったとしても、それは三澄が拾ってくれる。そのことは、里依と三澄の距離が近付いていくのを見守っていたからよく知っている。里依と友達であることはこれからも変わりはないけれど、里依を一番に大切にしてくれる人は三澄で、そしてその三澄はそれこそ真っ直ぐに、真摯に里依に向き合っている。
「怜花ちゃんは、いいの?寂しくない?」
「里依が取られちゃって的なことを言ってます?」
「うん。」
裏表がないのはあなたも同じでは、と思わず言いかけてぐっと飲み込んだ。本当に容赦なく、何でも訊いてくる。程よく知らない人で他人だからこそ、なんだかするすると話してしまっている自分もいて、改めて口にすることで自分の気持ちを再確認しているような気にもなってくる。