年下ワンコと完璧上司に溺愛されて困っています。
両手で顔を覆って震えていると、青年がクスクス笑った。
「ふふっ。おねーさん、かわいい」
立てた膝の上に片肘をつき、悪戯っぽく目を細める。
そして少し間を置いてから、さらっと口にした。
「……ふふ。そんなに焦らなくても。僕、まだ手は出してませんよ」
私は顔を上げた。ぽかんと口を開けたまま固まる。
「……は?」
青年はにっこり笑って続けた。
「ちゃんと送ってきて、ベッドに寝かせてあげただけ。僕、紳士ですから」
「そ、そう……よ、よかった……! な、何もなかったんだ……」
胸を撫で下ろす私。
………………。
「……って、ちょっと待って。今、“まだ”って言ったよね!?」
遅れて気づき、慌てて声を張り上げる。
青年は目を細め、悪戯っぽく笑った。
「気づきました?」
人懐っこい笑顔を浮かべながら、子犬みたいに尻尾を振っていそうな無邪気さで笑っている。
(……こいつ、まったく油断ならない!!)
「だったら服くらい着なさいよ!」
声を荒げる私に、青年は「あぁ」と軽く頷いて笑った。
「それはですね……昨日おねーさん、僕にちょっと“スプラッシュ”しちゃいまして」
「…………はあああああ!?!?」
「ほら、こう……滝のように、E.A……エクストリーム・アタックを」
さらっとジェスチャーつきで説明してくる。
(エクストリーム・アタック? 妙に発音いいし!)
(なにそれ、新手の幽波紋!?)
いやいやいやいや!!
要するに——私、ゲ●っちゃったってこと~~!?
私の顔から血の気が引いた。
「や、やめて!! お願いだからこれ以上言わないでぇ!!」
「だからシャツは非常事態で。ほら、軽くすすいで洗面所に干してありますから」
にこっと爽やかに言われ、私はその場でバタリと倒れ込んだ。
(うわあああああ! 恥ずかしすぎる! よりによってイケメンにそんな醜態を……!)
チーーーーン……。
心の中で鐘が鳴り響き、私は掛け布団を頭までかぶった。
しばし現実逃避したあと、布団の中で深呼吸。
(……落ち着け、杏。冷静になれ。まず状況を整理しよう)
「ふふっ。おねーさん、かわいい」
立てた膝の上に片肘をつき、悪戯っぽく目を細める。
そして少し間を置いてから、さらっと口にした。
「……ふふ。そんなに焦らなくても。僕、まだ手は出してませんよ」
私は顔を上げた。ぽかんと口を開けたまま固まる。
「……は?」
青年はにっこり笑って続けた。
「ちゃんと送ってきて、ベッドに寝かせてあげただけ。僕、紳士ですから」
「そ、そう……よ、よかった……! な、何もなかったんだ……」
胸を撫で下ろす私。
………………。
「……って、ちょっと待って。今、“まだ”って言ったよね!?」
遅れて気づき、慌てて声を張り上げる。
青年は目を細め、悪戯っぽく笑った。
「気づきました?」
人懐っこい笑顔を浮かべながら、子犬みたいに尻尾を振っていそうな無邪気さで笑っている。
(……こいつ、まったく油断ならない!!)
「だったら服くらい着なさいよ!」
声を荒げる私に、青年は「あぁ」と軽く頷いて笑った。
「それはですね……昨日おねーさん、僕にちょっと“スプラッシュ”しちゃいまして」
「…………はあああああ!?!?」
「ほら、こう……滝のように、E.A……エクストリーム・アタックを」
さらっとジェスチャーつきで説明してくる。
(エクストリーム・アタック? 妙に発音いいし!)
(なにそれ、新手の幽波紋!?)
いやいやいやいや!!
要するに——私、ゲ●っちゃったってこと~~!?
私の顔から血の気が引いた。
「や、やめて!! お願いだからこれ以上言わないでぇ!!」
「だからシャツは非常事態で。ほら、軽くすすいで洗面所に干してありますから」
にこっと爽やかに言われ、私はその場でバタリと倒れ込んだ。
(うわあああああ! 恥ずかしすぎる! よりによってイケメンにそんな醜態を……!)
チーーーーン……。
心の中で鐘が鳴り響き、私は掛け布団を頭までかぶった。
しばし現実逃避したあと、布団の中で深呼吸。
(……落ち着け、杏。冷静になれ。まず状況を整理しよう)