片思い7年目
千颯の気持ちはもう疑っていない。隣のベッドで寝息を立てる千颯の存在を意識して眠れない夜。千颯の優しさに甘えてばかりで申し訳なくなってしまった。夜は不安を何倍にも膨らます。このまま帰って、優太への気持ちは断ち切れるのだろうか。いつまでも落ち込んでいたら、いつか千颯に「手のかかる女だと」愛想を尽かされるだろうか。モヤモヤを抱え込んで、隣のベッドに忍び込んだ。
「……おわ、何しとん」
「別に、傷の舐め合いでも、しよっかなって」
ゆっくりと、千颯に馬乗りになった。
「あんなぁ」
「でも、私、こういうの初めてだし、嫌? めんどい?」
眉間にしわを寄せて眠そうな千颯の顔が月明かりで照らされる。
「そうやのうて。泣いとる子、抱く気にはなれへんわ」
頬を伝う涙を千颯の指が掬った。その少し乾燥した温かさに私の涙腺はまた緩む。顔がぐしゃりと潰れ嗚咽が漏れた。千颯の頬に涙が落ちていく。
「ははっ、泣け泣け~」
「っ、あんたが、あんな写真見せるからぁ」
「ごめんなぁ」
富士山と、青空と、滝と、タキシード姿の優太が頭から離れない。隣でウエディングドレスを着る妄想を何度したことだろう。しかし、妄想しているだけでは現実にはならない。引き寄せの法則なんていうけれど、やっぱり行動しなければ意味がない。甘い言葉と甘い妄想に浸っていた自分が馬鹿馬鹿しくて情けない。
好きの二文字を打って送ることすらできないくせに、彼の前では好きが溢れてしまうのはなぜなのか。優太だって私の気持ちに気づいていたはずだ。それでも、幼馴染として接してくれる彼の残酷な優しさが居心地がよくて、無邪気にも期待していた。結局、選ばれるのは私なのだろう、と。しかし、私は選ばれなかったし、ファミレスで私と一切目を合わせないことが彼なりの婉曲的な返事だったのだ。
夢見る片思いの瞳に見つめられながら、高校三年間付きまとわれ、大学まで一緒になって、優太はどんな気持ちだっただろう。さっさと告白でもしてくれればキッパリ断れるのに、とでも思っていたのだろうか。
「……おわ、何しとん」
「別に、傷の舐め合いでも、しよっかなって」
ゆっくりと、千颯に馬乗りになった。
「あんなぁ」
「でも、私、こういうの初めてだし、嫌? めんどい?」
眉間にしわを寄せて眠そうな千颯の顔が月明かりで照らされる。
「そうやのうて。泣いとる子、抱く気にはなれへんわ」
頬を伝う涙を千颯の指が掬った。その少し乾燥した温かさに私の涙腺はまた緩む。顔がぐしゃりと潰れ嗚咽が漏れた。千颯の頬に涙が落ちていく。
「ははっ、泣け泣け~」
「っ、あんたが、あんな写真見せるからぁ」
「ごめんなぁ」
富士山と、青空と、滝と、タキシード姿の優太が頭から離れない。隣でウエディングドレスを着る妄想を何度したことだろう。しかし、妄想しているだけでは現実にはならない。引き寄せの法則なんていうけれど、やっぱり行動しなければ意味がない。甘い言葉と甘い妄想に浸っていた自分が馬鹿馬鹿しくて情けない。
好きの二文字を打って送ることすらできないくせに、彼の前では好きが溢れてしまうのはなぜなのか。優太だって私の気持ちに気づいていたはずだ。それでも、幼馴染として接してくれる彼の残酷な優しさが居心地がよくて、無邪気にも期待していた。結局、選ばれるのは私なのだろう、と。しかし、私は選ばれなかったし、ファミレスで私と一切目を合わせないことが彼なりの婉曲的な返事だったのだ。
夢見る片思いの瞳に見つめられながら、高校三年間付きまとわれ、大学まで一緒になって、優太はどんな気持ちだっただろう。さっさと告白でもしてくれればキッパリ断れるのに、とでも思っていたのだろうか。