片思い7年目
◇◇◇

 帰りの電車は在来線でゆっくり帰ろうという話になった。家族連れが多く、新幹線の方が混んでいた。急行列車に揺られながら、私は夜中に浮かんだ疑問を零した。

「いつから、私のこと好きなの?」
「高校生んとき」
「なんで?」
「なんでやろな。一緒におったら好きになってもうたんよ」

 曖昧な理由だけど、深く納得した。幼い頃、私が優太を好きになったのは、ただ、近くにいたからだった。いつの間にか、近くにいてほしくなって、それが恋になったんだ。

「そっか。なるほどね」
「信じてへんな?」
「いや、信じるよ」

 富士山がゆっくりと遠ざかっていく。ごちゃごちゃした感情はあの中に置いてきた。これからは、この急行列車のようにゆっくりでも前に進めそうだ。

「そういえば、全部奢らせてごめんね。帰ったら飲みにでも……」
「奢りは別にええけど、飲みは返事もろてからにするわ」

 次の停車駅を知らせるアナウンスが流れる。電車はスピードを緩めていく。千颯はこちらを見なかった。

「そっか……そうだね。ちゃんと考えるから、待っててほしい」
「分かった。待っとる」

 知らない駅で扉が開いて、新しい空気が車両の中を流れる。そして、ゆっくりと次の駅に進んでいく。同じ傷を負って本心を曝け合った私たちは、どんな関係になっても一緒に進んでいける気がした。



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