沈丁花奇譚
ぬばたまの闇空に浮かぶ満天の星と
柔らかな乳白色に輝く満月に照らされて歩いていると、何処からともなく憶えのある奥ゆかしい香が私の鼻孔を甘く誘ってきた。
無事家に着き、着替えて一通り終えてくつろいでいると先ほどと同じ香がまた私の元へと絡みついてきた。
これは何…。
私は気のせいでしょ?きっと疲れているんだわ、と自分に言い聞かせて床につこうとしたその時、ふと後ろから誰かが私を抱きくるんだような感触に襲われた。
「こんばんは…」私の耳元で男の声がした。
穏やかに響く、低くて艶のあるやや甘目の声に私は身動きを封じられてしまった。
柔らかな乳白色に輝く満月に照らされて歩いていると、何処からともなく憶えのある奥ゆかしい香が私の鼻孔を甘く誘ってきた。
無事家に着き、着替えて一通り終えてくつろいでいると先ほどと同じ香がまた私の元へと絡みついてきた。
これは何…。
私は気のせいでしょ?きっと疲れているんだわ、と自分に言い聞かせて床につこうとしたその時、ふと後ろから誰かが私を抱きくるんだような感触に襲われた。
「こんばんは…」私の耳元で男の声がした。
穏やかに響く、低くて艶のあるやや甘目の声に私は身動きを封じられてしまった。
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