彼と妹と私の恋物語…結婚2週間で離婚した姉が再婚できない理由…
「単刀直入に申し上げます」
京子はプロジェクターを操作し、巨大なスクリーンに金の流れを示す複雑な図表を映し出した。
「長年にわたる不正送金の犯人が、特定できました」
ゴクリ、と沢富が喉を鳴らす。秋太は静かに麻友を見据えていた。
京子は最後のデータをスクリーンに表示させた。海外銀行の口座情報。そして、そこに大写しにされた口座名義。
「内藤麻友さん。あなたですね」
瞬間、麻友の顔から血の気が引いた。
「なっ…何を言ってるんですの!?何かの間違いですわ!きっと、誰かが私を陥れようと…!」
「言い逃れは無意味です。すべての金の流れは、物的証拠として押さえてあります」
京子の冷徹な追及に、麻友はわなわなと震え始めた。
悲劇のヒロインを演じる余裕は、もはやどこにもない。
「あんたのせいよ…!あんたみたいな女が、急に現れて秋太さんを惑わすから!」
狂気の光を目に宿し、麻友は叫んだ。そして、バッグから取り出したペーパーナイフを握りしめ、愕然としている沢富部長に襲いかかった。
「あんたが!あんたが余計な調査をさせるから、私の計画が…!」
「危ない!」
秋太が叫ぶのと、沢富部長の腕から血が噴き出すのは、ほぼ同時だった。
会議室は悲鳴と怒号に包まれる。その混乱に乗じて、麻友は扉を蹴破るようにして逃走した。
すぐに警察と救急が呼ばれ、会社は騒然となった。幸い、沢富部長の傷は命に別状はなかった。京子は駆け付けた刑事に、冷静沈着に状況を説明し、集めたすべての証拠データを提出した。
被害届は受理され、内藤麻友は傷害及び業務上横領の容疑で全国に指名手配された。