彼と妹と私の恋物語…結婚2週間で離婚した姉が再婚できない理由…
宗田家での、奇妙な同居生活が始まった。
翔太は7年前と変わらず気さくな態度で楓と柊を向け入れた。
そしてトワは柊をギュッと抱きしめると、楓に対しては少しよそよそしい態度だった。
楓は特に気にする様子はなかった。
家事全般は楓がやることになった。
仕事を辞めたことから時間があるということで。
だが、宗田家にはお手伝いがいたはず。
「お手伝いさんは?」
秋太が尋ねると、翔太が少し申し訳なさそうに目を伏せた。
「…辞めてもらったんだ。…トワが、楓さんにやってもらえばいいというから」
「はぁ?なんで言いなりになってんの?」
「対立してしまっては、楓さんを迎え入れるのに雰囲気が悪くなるじゃないか」
「そっか。…いいよ、そうやってあの人の言いなりになっていれば…」
秋太はそれだえ言うと、その場を去った。
翔太は申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
宗田家での奇妙な同居。
楓はトワとは顔を合わせないように家事全般をこなしていた。
楓が作る食事に「お手伝いさんのほうが、おいしいわね」とトワは嫌味を言うこともある。
しかし「じゃあ、手伝いさんに作ってもらえば?」と、柊が無邪気に言う。
トワは何も答えられず黙ってしまう。
お昼ご飯は適当に作って食卓においておき、トワが食べ終わると楓がさっさとかたずける。
夕飯は柊に食べさせると、後はそれぞれ個人で済ませてもらい順次かたずけをしている楓。
淡々と家事をこなす楓を見て、時々、秋太が手伝っている。
そんな姿を見るとトワは。
「何をしているの?男性が家事なんてするものではないわ!」
そう言って怒ってくる。
だが…
「いつの時代の話ししてんの?化石みたいなこと言わないでくれないか?」
と、秋太がいう。
「今は男女平等。女性だって働く時代なんだから、男だって家事くらいやって当然。もっと、現実見たほうがよくない?」
そう言って、秋太がトワの嫌味を突き放している。
それでも繰り返しトワは嫌味をったり、楓の作る料理にケチをつけ続けていた。
そんなある日。
「なにこの魚。味付けが濃すぎるわ」
夕食に煮魚を食べたトワが、箸をおいて文句を言い始めた。
向かい側で食べている翔太はおいしいと言っていた。そして柊も喜んでいた。秋太も大喜びだった。
だがトワだけは一口食べると文句を言い出したのだ。
「こんな味付けの濃いもの食べていたら、病気になるわ」
そういったトワ。
すると楓は、黙ってトワにそばに近づいてきた。
そして、煮魚が入っている皿を取り上げてシンクにもっていくと、黙ってそのままひっくり返して捨てた。
「な、何をするの?…私には、何も食べさせないつもり?」
楓は黙って皿を洗い始めた。
すると、黙っていた秋太がバン!と箸をおいた。