彼と妹と私の恋物語…結婚2週間で離婚した姉が再婚できない理由…
秋太が小学校2年生とき、養子に行く決意をした。
トワはいかないでほしいと言っていたが、秋太は絶対にひかなかった。
そんなとき、冬太が秋太に話しかけてきた。
秋太より5つ年上の冬太は、中学2年生だった。
端正な顔立ちで女子からからりモテている。
毎日家まで、女子がついてきているくらいだ。
「秋太。ちょっといいか?」
秋太は部屋で本を読んでいた。
一人で過ごすことが好きな秋太は、部屋で読書して過ごすことが多く、あまり家族と話をしようとしない。
「秋太。お前、本当にじいちゃんの家の子供になるのか?」
「うん…」
本から目を離さないまま秋太は答えた。
そんな秋太の隣に座った冬太。
「なぁ。…お前、本当は母ちゃんこと好きすぎるんだろう?」
「…別に…」
「そうか?だって、母ちゃんに学校に来るなっていったのって。みんなが、母ちゃんの悪口言うからじゃないのか?」
「違うよ。…来なくていいもん…」
本を読んでいる秋太だが、どこか伏し目で声が上ずっていた。
「お前さぁ。もしかして、おじいちゃんの家の子になれば。母ちゃんの負担が少なくなるって、そう思っているんじゃないか?」
ちらっと冬太を見た秋太。
「あのさ。こんな話しって、俺が言うことじゃなんだけど。…母ちゃん、秋太がおなかの中にいることが分かったとき。黙って、中絶しようとしたんだぞ。みんなに迷惑かけたくないって思って」
秋太は黙ったまま本をじっと見ている。
「でも俺と桃子が止めたんだ。何も言わなかったけど、母ちゃん気持ち悪そうにしてて。お腹さすっていたから、多分、赤ちゃんできたんだろうって思って。だから、赤ちゃん産んでって俺と桃子が言ったんだ。かなり迷っていたようだけど。産む決意をしてくれた。…俺と桃子を産むときも、母ちゃんはかなり悩んでいたらしい。父ちゃんが一緒にいるって言ってて。…でもさ、秋太が産まれたとき。母ちゃんすごく泣いて喜んでいた。それで、母ちゃんが真っ先に「秋太」って名前に決めたんだ。真っ赤な秋の夕日に染まるころに、産まれてきたから」
冬太の話を聞いた秋太は、読んでいた本を落とした。
そんな秋太を見た冬太は、そっと秋太を抱き寄せた。
「…なぁ。本当は、じいちゃんの家に行きたくなんだろう?」
「…うん…」
「じゃあ、今からでもやめればいい」
「ううん…じいちゃんの家に行く。…」
「なんで?行きたくないんだろう?」
「…じいちゃんの家に行って、僕は強くなりたいから」
強くなりたい。
そういった秋太は、しっかりと冬太を見ていた。