彼と妹と私の恋物語…結婚2週間で離婚した姉が再婚できない理由…
その夜。
秋太は、鏡家の玄関に立っていた。楓と柊を迎えに来たのだ。
叔父が、温かい眼差しで秋太を見つめた。
「秋太くん、これからも楓を頼むよ。そして、柊も」
「はい、叔父さん。ありがとうございます」
秋太は深々と頭を下げた。
リビングに通されると、楓がトワと和解したことを伝えてくれた。秋太は、それを聞いて安堵の息をつく。
「僕も、母さんと本音で話したんだ。ちゃんと分かり合えたよ」
秋太の言葉に、柊が目を輝かせた。
「それなら安心だね!」
幼い柊の笑顔に、楓も秋太も、心が温かくなるのを感じた。
鏡家を出て、宗田家への車中。楓は助手席に座り、秋太はハンドルを握っていた。後部座席では、柊がすやすやと眠っている。
窓の外を流れる景色を眺めながら、楓は小さく息をついた。今まで抱えていた重荷が、一つ、また一つと取り除かれていくような感覚だった。トワとの和解、そして秋太の言葉。
「…楓、疲れてないか?」
秋太が優しい声で問いかけた。
「大丈夫です。…なんだか、ホッとしたせいか、力が抜けているみたいです」
楓が正直に答えると、秋太は小さく笑った。
「そうか。…僕もだよ。なんか、やっと家族になれたって感じがする」
その言葉に、楓はそっと秋太の横顔を見た。遠回りばかりだったけれど、今、こうして秋太の隣にいられることが、何よりも嬉しかった。
宗田家に着くと、トワが出迎えてくれた。その顔には、以前のような険しさはない。
穏やかな笑顔で、楓と柊を迎えてくれた。
それから数日。宗田家での生活は、穏やかに過ぎていった。
トワと楓の関係は、少しずつだが確実に良い方向へと向かっている。
柊も、宗田家にすっかり馴染んでいた。
そんなある日。
秋太が働く宗田ホールディングスに、高校時代の同級生である林田美紀が現れた。美紀は大手コンサルティング会社の社長の息子と結婚しており、夫の手伝いでそのコンサルティング会社の用事で宗田ホールディングスにやってきたのだ。