彼と妹と私の恋物語…結婚2週間で離婚した姉が再婚できない理由…
一人考えた末、やはり楓に話そうと思い秋太は楓にの部屋にやってきた。
「楓…入るよ…」
秋田が部屋に入ってくると、楓は何かを引き出しにしまった。
そしてベッドの端に腰かけた。
「楓、話があるんだ。いいか?」
俯いたまま頷いた楓。
秋太は、楓の隣に座った。
楓の表情には、かすかな陰りが見える。
「あのさ…」
声をかけると楓はギュッと唇をかみしめた。
「実は…」
「もし、その先にほかの女性の話をするなら結構ですよ」
「え?」
「既に知っています。ごん本人から、直接うかがっておりますので」
淡々とした楓の言葉に、秋太は最近様子がおかしかった理由に気づいた。
おそらく美紀が直接楓に何か言いに来たのだろうと。
「そのことだけど、僕には何も心当たりがない」
「そうですか…。証拠写真まで、見せてきましたが。それでも、心当たりがないと?」
「ああ、ないよ。ただ…話していなかったことがある。…ごめん…。今からちゃんと話すから、聞いてもらえるか?」
勝手にどうぞと言わないばかりに、楓は黙っている。
「高校の時の同級生だった林田美紀という女性が、我が社に来たんだ。懐かしい再会だったけど、僕にとって高校時代は運命が変わったときでもあるから良い思いではない…」
少し悲しそうに目を細めた秋太。
「高校2年生の時に事故で失明して。それから急に世界が変わって、周りにかなり助けてもらってた。その中に、林田さんがいたのは事実だ。とても献身的に、ノートに書くことを点字にしてくれたり。数えきれないほど世話になった。卒業するとき、告白されたこともあったけど。心を動かされることはなく断った。それから進路が別々で、彼女は私立大学に進学したからそれっきり会っていなかったんだ。…彼女も結婚しているのに、僕にこんなに執拗に絡んでくるなんて…正直驚いている」
一息ついた秋太は、一枚の写真を楓に差し出した。
「この写真。林田さんに、仕事の話で呼び出されたときに、彼女が酔いつぶれて送っていったのだけど。強引に迫られたんだ。その時に、彼女が撮った写真だけど。この写真をネタに、僕に襲われたとご主人には話していて。慰謝料請求をされたよ。…1000万なんて高額だけどね」
少しだけ顔を上げた楓。
「法外な額な金額です。それは、恐喝にも値します」
「そうだね。だから、僕は戦う決意をしたよ」
「戦うと言っても、どうやって戦うのですか?その写真で、卑猥な行為を証明することは難しいですが。あなたが彼女と親密だったことは立証される確率が高いです」
「そうだね。それなら、彼女のお腹の子を調べればわかることじゃないか?妊娠しているって言っているのだから」
「そうですね…。妊娠中でも、調べることはできますので…」
少しだけ表情が緩んだ楓。
そんな楓の手に、秋太はそっと触れた。