彼と妹と私の恋物語…結婚2週間で離婚した姉が再婚できない理由…
そして、一年後。

宗田家に、新しい命が二つ、誕生した。
女の子と男の子の、元気な双子だった。
窓から差し込む陽の光のように、みんなを明るく照らしてくれるようにと、女の子には「陽(ひなた)」。そして、その光の中心で、力強く輝く存在になるようにと、男の子には「太陽(たいよう)」と名付けた。

すっかりお兄ちゃんになった柊は、泣く陽と太陽をあやそうと、楓の隣で一生懸命おもちゃを振って手伝ってくれる。その健気な姿が、何よりも愛おしかった。

初夏の爽やかな風が吹くある日の午後、柊が庭から駆け込んできた。
「ママ!ママ!みて!しろいバラさんが、いっぱいさいてるよ!」
柊に手を引かれて庭に出ると、そこには、これまで見たこともないほど見事な白いバラが一面に咲き誇っていた。純白の花びらが、太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。

楓は、その光景に息をのんだ。
白いバラの花言葉は、「純潔」「心からの尊敬」そして、「相思相愛」。

その純粋な白さを見つめていると、自分の心の奥底にあった過去の後悔や罪悪感が、すーっと浄化されていくのを感じた。私の心は、今、このバラのように真っ白だ。

今、ここには、かけがえのない大切な家族がいる。
そして、何よりも、最高に愛してくれる秋太がいる。
失明という絶望を乗り越え、妹の死という悲しみを背負い、それでも、ずっと、ずっと自分だけを想い続けてくれた人。どんな時でも、彼の気持ちは少しも変わらなかった。

楓は、隣で優しく微笑む秋太の顔を見上げた。
私も、同じだよ、秋太。
私も、あなたと出会ったあの瞬間から、ずっとあなただけを想っていた。
遠回りをして、たくさん傷つけてしまったけれど、ようやく、本当の気持ちに素直になれた。

楓は、そっと秋太の手に自分の手を重ねた。
「愛してるわ、秋太」
「ああ、僕もだよ、楓。世界で一番、愛してる」

二人は、太陽の下で元気に眠る双子と、その傍らで花を愛おしそうに眺める柊を、優しい眼差しで見つめた。
風が、白いバラの甘い香りを運んでくる。それは、全ての過去を乗り越えた二人を祝福する、幸せの香りだった。

END
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