推しの在る生活
わたしが彼と出会ったのは彼が小説投稿サイトに投稿していた作品のファンだったからだ
わたしは読書が趣味でいろんな本を読む傍ら素人小説にも手をだしていた
わたし自身が物語を書くなんてことはしなかったので
素人作品を読んでていても楽しく感心しながら読んでいたものだ 俗に言う『読み専』ってやつ
『読むと書くとじゃ大違い』そんなことは言われなくても重々承知している
そんな数多の投稿作品の一つとして彼の作品と出会った
なんの気なしに読んだ彼の作品は歪な中に真っ直ぐ芯のようなものがあるように感じられて他の投稿作品よりも異質に感じた
わたしはその『歪』に惹かれた
その後も彼の作品は過去作から新作と投稿されているもの全てを読んだ
大した評価もされていないこともあり わたしはわたしだけが気づけた優越感のようなものを得ていた
程なくしてわたしは彼にファンレターを書いた
応援コメントのようなものだ
書くことが苦手なわたしにしてはそれなりの熱量で書いた わたしの熱量に応えるかのように彼からも返事がきた わたしからのファンレターは彼の創作意欲と言う名の火に油を注いだようだった
彼とコメントのやり取りを始めたことでより彼の作品が待ち遠しくなっていた
そんなある日彼からの返事に他の連絡方法でやり取りできないかの旨が書かれていた
もっとじっくり物語や本について語り合いたいらしい
わたしとしても彼の作風作品に惹かれていたのもあり快くその誘いを快諾した
お互い知恵を絞った結果 連絡先の交換をするまでに至った
しばらく個人的な連絡ツールを使ったやりとりが続いていたが お互いの好奇心の強さには抗うことができず わたしたちは会うことになった